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第32話

みんなが帰って一気に静かになる。 こういう空間はとても苦手だ…何でだろう?いつしかダメになってた。常に音がしないと落ち着かないし眠れない。 電気は消せないし…テレビも消せない…けどここは病院。そんなこと言ってられない… 「やば…震えてきた…」 こんなに静かなのは久しぶりで変にドキドキする 「これ…どうしよ…」 カタカタと震えが止まらない… はぁ…はぁ…苦しい…助けて… ガラッ 「…」 見回り?でもさっき来たばかりだ…じゃあ…何だ…? 「迎えに来たよ…樹優…」 「っ!…」 目の前が真っ暗になる…意識が遠退く… 「ねぇ。愛してる言って」 「…あ…愛…し…てる…」 「震えてる…怖かった?待たせてごめんね。僕がここから連れ出してあげる。おいで」

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