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需要と供給のバランス③
***
夕刻。寮の自室に戻ると高橋は、夜を待たずに俺をベッドに押し倒した。
そして瞳を潤ませて、ねだられた。
「夜まで待てって、俺言ったよな?
マテの出来ない駄犬には、お仕置きが必要かな?」
本当は満更でも無かったけれど、わざと意地悪く囁いた。
すると高橋は、本格的に泣き始めてしまった。
だけどこれは、あくまでもプレイの一貫。
実際高橋も、興奮している様子だし。
ニヤニヤとゲスな笑みを浮かべ、組み敷かれたまま膝で彼の後孔を軽く擦った。
すると高橋は息を乱し、必死に訴えた。
「鈴木くん、ごめんなさい!
でも僕、もう我慢出来ないよ......」
ポロポロと、こぼれ落ちた涙。
だけどそれは、俺の嗜虐心を煽っただけだった。
「全く......ホント高橋は、どうしようもない淫乱だな。
そんなに俺の精液が、欲しい?」
グイグイと少し強めに膝を動かすと、高橋は物欲しそうに、淫らに腰を揺らした。
「ん......欲し...。
鈴木くん、意地悪しないで......」
甘えた声で鳴き、キスを求められた。
本当はもっと焦らして、苛めてやりたかったのに......クソ、やっぱコイツ可愛過ぎ。
「仕方ねぇなぁ......。
さっさと脱げよ、高橋。
夕飯まで時間もないから、もう突っ込んでやるよ」
インキュバスである高橋のカラダは、前戯など無くてもすぐに濡れ、いやらしく男を受け入れるように出来ているらしい。
本当ならばもっと可愛がってやりたかったけれど、実際時間も無かった。
......さすがに昨夜から三発も貪られて、飯抜きは俺が死ぬ。
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