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需要と供給のバランス②

***  その日の一限は、いきなりの体育。  サッカーボールを蹴ろうとするも、上手く出来ず、バランスを崩して転びそうになる高橋。  くそ......インキュバスだとしても、今日も今日とて可愛いが過ぎる!  しかも体操着のハーフパンツから覗く細く白い足には、無駄毛なんて一切なくてツルッツルで。  女子も真っ青になって裸足で逃げ出しそうなほど、艶かしく美しい。  もはや隔離社会にも近い、僧侶達が暮らす総本山的なところでもここまでの禁欲は強いられて無いんじゃないかと思えるほど、女子とは縁のない野郎だらけの寮生活。  煩悩まみれの視線を集めるのを目にして、苛立ち彼の肩を抱いての仲良しアピール&牽制。  ふふん、羨ましかろう!  一瞬だけ優越感に浸り掛けたけれど、すぐに冷静さを取り戻した。  ......ホント俺ってば、何をやってんだ。  だけど嬉しそうに俺を見上げてえへへと笑うコイツの顔を見て、自然と俺の表情筋も緩んだ。    しかし、次の瞬間。  淫乱ビッチなインキュバスははふと息を吐き、俺にだけ聞こえるくらいの小さな声で、ぼそっと言った。 「鈴木くんの、汗の匂い......。  ヤバい、朝食べさせて貰ったばかりなのに、こんなの嗅いだらまたお腹が空いてきちゃう......」  ペロリと舌舐りする、高橋。  くっ......、エロい。エロ過ぎる!  だけど今は、幸か不幸か体育の授業の真っ最中。  ポンポンと軽く彼の頭を撫で、耳元でそっと囁いた。 「我慢しろ、このド淫乱。  ......夜にまた、いっぱい食わせてやるよ」  それを聞き、高橋は頬を薔薇色に染めて、コクンと小さく頷いた。

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