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地味な俺と不良高校の生徒会と情事の後②

「誠?」 様子のおかしい俺に先ほどまで怒りが滲んでいた蓮さんの声に戸惑いが混じる。 蓮さんの両手が俺の頬を包む。俺はびくりと身体を震わせる。 蓮さんはゆっくり、俯いている俺の顔を自分のほうに向ける。身体中が熱い。 蓮さんと目が合う。 あんなに、蓮さんのこと避けてたのに、触れられると嬉しいと思ってしまうのはなんでだろう。 それに、嬉しいのに泣きそうだ。蓮さんのことが好きすぎて、おかしくなってしまったみたいだ。 俺は蓮さんの服をぎゅっと掴む。 なんだか自分の気持ちに、この想いに耐え切れなくて。 「誠、どうして俺のこと避けてたんだ?」 蓮さんはもう怒っていなかった。俺の頭を撫でながら優しく、俺に尋ねる。 「蓮さんに会うと、その・・・・・・。なんていうか。」 蓮さんに触れられたいと思ってしまう。キスをしたいと抱き合いたいと思ってしまう。 蓮さんのことをもっともっとと求めてしまう。 俺は、俺より20cm以上も身長が高い蓮さんの顔を自分のほうへ引き寄せ、そして蓮さんの唇を奪った。 「犯したくなります。」 言ってから後悔する。年中発情期の律樹さんみたいなことを言ってしまった。それに、どっちかというと、俺が犯されるほうか。 「ぶはっ。」 悠斗さんが噴出す声が聞こえたが、こっちはそれどころじゃない。 「律樹みたいだな。」 「新君。言いたいことは分かるけど。僕と誠君とじゃ意味が全然違うからね。」 「それで、俺のこと避けてたのか?」 蓮さんの問いに頷くと、蓮さんが俺のことを抱きしめる。 「嫌われたのかと思った。」 「むしろ、好きすぎて困るくらいです。」 俺は蓮さんを抱きしめ返す。 「はいはい。悠斗君が笑い死ぬからいちゃいちゃするのはそこまで。」 律樹さんが手を叩きながら声をかける。 「ここまで、馬鹿なバカップル初めてみた。俺ら何しに来たんだよ。」 新さんが文句を言う。 「まあ、面白いものみれたからいいんじゃない?」 悠斗さんが笑いすぎて目に涙をにじませながら言う。 「誠君、蓮君もそうだけど、僕達も誠君に会えなくて寂しかったんだから。」 律樹さんが俺に言葉をかける。 「そうなんですか?」 俺は律樹さんと新さんと悠斗さんを見る。 「俺はそうでもない。」 「新も、俺も寂しかったよ。だって、俺達友達じゃん。」 新さんと悠斗さんが言葉を返す。 そんな新さんと悠斗さんと律樹さんをみて、心底ほっとしている自分がいる。 そうか、俺、不安だったんだ。 俺が蓮さん達を避けていたのは、蓮さんに会って、気持ちが抑えきれなくなると思ったからだけじゃなかった。 俺は、みんなとの関係が変わってしまうことが怖かったのだ。 蓮さんとセックスした俺のことをみんながどう思うのか。 蓮さんのことを俺より知っている、蓮さんとずっと長い付き合いで、蓮さんのことが何より大事な新さんや悠斗さんや律樹さんに、蓮さんを独り占めしてしまった俺がどう思われるかを考えることが怖かった。 そして、みんなに嫌われたくないと思うほど、俺はみんなのことも好きになっていたんだ。 でも、みんなの態度は変わらない。 俺と蓮さんが付き合っても、セックスしても、蓮さんと3人の友情は変わらないし、3人とも俺のことを友達だと思ってくれる。 俺はみんなを見て言う。 「今日、俺、生徒会室に行ってもいいですか?」 「誠君。おいでおいで。じっくり蓮君とのセックスについて聞こうじゃないか。」 「まこちゃん、俺も話聞きたいから大歓迎。童貞のまこちゃんがどんなだったのか気になる。」 「お前ら、チビのセックスになんでそんなに興味津々なんだ。おいチビ、菓子持ってくるなら来てもいいぞ。」 律樹さん、悠斗さん、新さんがそれぞれ俺に言葉を返す。 「じゃあ、誠。行こうか。」 蓮さんが俺に声をかける。 俺は、笑顔で頷いた。 まだまだこの大切な恋人と友達と過ごす楽しい青春が待っている。 俺には、いつか来る別れなんて考える暇もないくらい、今を楽しめる仲間が一緒にいてくれる。 先のことなんて分からない。 でも、今は、みんなとずっと一緒にいれることを、この楽しい青春がずっと続くと信じたい。

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