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ゆるふわ出没注意!(4)
ベッドに寝転がったゆーたに、最新の就活のあれやこれやを聞きまくった。
「――二次面接と三次面接って、どこが違うの?」
「んー……俺の時は三社とも二次が人事部長で三次は人事部担当役員で常務が出てきた、かな」
三十分くらいかな?聞き取りをしているうちにゆーたは眠そうになってきた。
「わり、とまり。寝そうなんだけど、なんか飲み物ちょーだい」
あくびをしながらゆーたが言う。
「ジュース持ってくる。ちょっと待っててね」
確か冷蔵庫にオレンジジュースがあったはず。
僕は部屋を出ると一階のキッチンで冷蔵庫を開けた。
「あったあった。……!」
ふと、テーブルの上の睡眠導入剤が目に入った。
お母さんが不眠気味だから、常備してるんだよね……。
悪魔のささやき声が聞こえる。
これをさ、ジュースに入れたらさ……。
んで、ゆーたが寝ちゃったらさ……。
もこもこで目立たないけど実は僕、さっきゆーたにわしゃわしゃされてから、ちょっと勃ちかけてるんだよね……。
いやいやいや!なんでもないよ、うん。なんでもない!
ジュースをコップに注いで、氷……よし!できた!
部屋に戻るよ!さっさと戻るよ!
「ゆーたぁ、はい。オレンジジュース」
「ありがと。今日散々走り回ったから疲れちゃってさあ」
ゆーたはコップの中のジュースを一息に飲み干した。
よっぽど喉が乾いてたんだね。
「あとさぁ、OB訪問ってどんなの?」
ゆーたはちょっと眉をしかめる。
「あー、俺OB訪問してないんだよ。会社説明会で満足しちゃったから」
「ふーん、必須じゃないんだねー」
「そ……だな」
ゆーた眠そう。早くも目がとろんとしてきた。
「ゆーた眠い?」
「ん……。ちょっと寝てもいい?」
「いいよ」
ゆーたは僕のベッドに寝転がると、ぱちぱちと数回まばたきをして、眠っちゃった。
ぐっすりかな?
穏やかな寝息が聞こえてきたから、横向きになってるゆーたの肩を押したら仰向けになった。
全然起きる気配なし。
ぐっすりだ……。
ど、どうしよう。
うまくいっちゃったよぉ……。
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