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「――…んっ♡ ふ、ふんんっ♡ ぁ、はぁ…いつぐぅ♡♡」
「ん…はぁ疾風くん♡♡ …はは、何だかこの体勢でするキスもすごくドキドキしちゃうね♡♡ オレいま心臓ヤバいことになってるよ」
「っ、だな…俺もうるさくてヤベぇ…♡ ……つか、ほんとにこの体勢でオマエ大丈夫なのかよ…俺モロに上に乗ってっけど」
「えっああ、確かに疾風くんが百七十二だっけ? …で、オレが百七十四だから体格的には見た感じあんまり変わらないなって思ったけど……でも、全然疾風くん重くなんかないよ」
「ほんとか? 無理そうならやっぱ俺オマエの膝から降りた方が…」
「本当だって、むしろ想像してたより疾風くんが軽くて驚いたほどだよっ、疾風くんちゃんとご飯食べてる?」
「! あー…まぁなんか適当に…」
「…あんまりしっかり食べてはなさそうな返答ですねぇ……おりゃ」
「ひやぁぁっ!? ……っオマエ、」
「へへっ…疾風くん、耳だけじゃなくて脇腹も弱いんだ…新しい情報ゲットかな♡♡」
「っ、もうオマエ黙れっ…口塞ぐっ、」
「えっ、んんんっ…!」
「……ひゃまぁみろっいふぐっ♡♡♡」
「っ、なにふぉれ…ふぁわいい♡♡♡」
疾風くんとおこなった初めてセックスは、何もかもが初体験、未知数の出来事で。
それはそれは、とても気持ちよく幸せなひとときであった。
そして『キミをもう一度抱きたいっ』の言葉と共に彼に熱いキスを送った後、疾風くんは「……今度は、別の体勢でいつぐに…っ抱かれたい、んだけどよ…」と、恥ずかしそうに顔を赤く染めながら告げてきた。
こんなかわいすぎるリクエストに答えないだなんてことあるはずもなく。
オレはゴクリ…と唾をのみこみつつ「っ、じゃあ……」そう言って、今の体勢――所謂『対面座位』で、二回目のセックスをする運びとなったのである。
ほんとはバック…後ろからするのにももちろん興味はあったりはしたけども、今は何より疾風くんの顔を見て、見つめ合いながら深く繋がりたかったからこれで大満足だ。
……ただまぁ、彼を膝の上に乗せた時に
「…そういえば、背中痛かったりとかしてない? ちゃんと下に何か…それこそオレのジャージとか敷いてあげればよかったかも…ごめんね、気が付かなくて」
「! いや、別に下コンクリートってわけじゃねぇしこんくらい大丈夫だ……そもそも」
「そもそも?」
「……っ、い、いつぐとのセックスが気持ちよすぎて、床の固さとかそんなの覚えてねぇ…しよ」
「!? かっ…かっわいいなぁキミはほんとにもうっ!!」
「っ、だからオマエはまたソレっ…」
「ごめんね、つい口に出ちゃうんだ……でも口にするのやめれそうもないよ、だって今オレの中で世界一可愛い存在が疾風くん、キミなんだもの」
「なっ!!? ……ぐ、オマエ、ほんとSっ…」
「ええっだからどこがっ…!?」
と、何故かまた突然『S』認定されたのは謎なんだけどさ。
というか、これについてはオレがついついすぐに可愛いって口にしちゃうほど、無意識で可愛いコト言ったりしたりしてくる疾風くんの方が、絶対に悪いと思うんだけどなぁ……いや、ほんとに。
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