1 / 3

第1話

 地味でさえないと思っていた先輩が酔った姿が可愛くて。  部屋で二人で飲んでいた。  平凡な白いだけだと思っていた顔が酔ってピンクに色づいて 地味でさえないと思っていた先輩が酔った姿が本当に可愛くて。  平凡な白いだけだと思っていた顔が酔ってピンクに色づいて、無機質な瞳が潤んで生き生きと輝き出す。  表情が乏しいかった顔が、クスクス笑う。    笑顔になると、冴えないはずの顔が変わる。  可愛い。  可愛い。  そう思った。  それでも、キスをしたのは冗談で。  肩を抱いて唇をあわせて軽く吸ったら、ガチガチに固まったのが始まりだった。  「何、その顔」  思わず口に出していた。    いつも白いペタンとした顔は、今は真っ赤になっていて、瞳は瞳孔まで開いている。  キスされてこうなった?  キスをだけで?  いくつだよ。  いや、年齢は知ってる。  俺より4才上。  仕事が出来るというよりは、確実なタイプの技術者だ。  たまたま今のプロジェクトでチームになった。  無表情で冴えない、でも、仕事には誠実な男。  俺のまわりにはいないタイプだったから。  懐いて甘えて。  仲良くなった。  プロジェクトの最中には先輩の技術には本当に助けてもらって。  プロジェクトが終了したから、みんなで飲んで、珍しく参加した先輩が飲みすぎたから送って・・・先輩の部屋でダラダラ話していて・・・こうなった。  言葉を失い、硬直している姿が可愛すぎた。  中学生の時のガールフレンドでさえ、こんな顔はしなかった。  また唇を重ねた。  柔らかく唇を噛んだ。  先輩の身体がビクンと震えた。  舌で唇を割って、その口の中に侵入した。  怯える舌を引きずりだし、甘く噛み、舌をすりあわせた。  低い声が漏れたのも、身体がふるえているのも、興奮した。  強く抱きしめて、口の中を貪った。  唾液を飲み、飲ませる。  怯えていて、震えていて、感じていた。    初めてなのだ。  それがわかった。  潔癖な匂いはしていたけれど。  面白みのない彼女とつまらない清潔なセックスしてそうだとは思っていたけど。  何も知らない身体。  奇妙な高揚があった。  実のところ、見かけが良ければ男も抱いてきた。  今の先輩なら充分どころか、楽しめる。  キスだけで、震えて感じてる身体をベッドの上に連れて行って、押し倒す。  服を脱がせたくて、破いてしまう。  こんなに興奮しているのはじめてかもしれない。  キスも知らない人間を抱く。  その事に興奮していた。    この、普段はそういうことに興味がないみたいな、性欲なんかないみたいな男を抱いたらどうなるのかが見たかったのだ。  弱々しい抵抗はキスで奪う。    潤んだ目、濡れた唇。  怯えた瞳。  震える指。  腕の中にはあの面白みのない男はいない。  可愛い。  そうおもった。  脱がせて見たら、細い身体は綺麗だった。  真っ白で。  淡い乳首も、少ない陰毛も、小ぶりな性器も。  「ヤらしい身体」  耳を噛みながら囁いた。  先輩はその言葉と耳を噛む痛みに感じ震えた。     「違、ちがうぅ・・・」  冷静な男が腕の中で取り乱して泣き叫ぶ。    「違わないでしょ」  俺は笑って先輩の乳首を摘まんでコリコリとこすりあわせた。  ああっ      驚いたように先輩が叫ぶ。   本当に驚いているのだ。  「感じたこと」が「ない」から。  それにぞわっと来た。    俺しか知らない身体。  可愛すぎだ。  「やらし・・・可愛い・・・」  俺は首筋を舐めながら、乳首を弄った。  「やだ、やだぁ」  子供みたいに先輩は泣く。  ビクビク身体を震わせながら。  あんなに冷静な男が。  ギャップに死にそうになる。  涙を優しく舐めとり、宥めるようにキスをした。  その間も乳首は優しく虐めてやりながら。  「痛いからぁっ・・・痛いからぁ」  指を胸からはがそうとしてくる先輩の指の弱さに笑う。  形だけの抵抗。  して欲しいくせに。  「そう痛かった?じゃあ舐めてあげる」  俺は優しく言って、乳首を舐めていく。  可愛い乳首は、舌触りも気に入った。     「違う・・違っ・・・やめてぇ」  先輩は身体をそらせた。    俺が噛んだから。  ああ、歯触りもいい。    ああっ  だめぇ  もつれる舌が可愛いすぎた。  執拗にその乳首を可愛がってやった。  だって、本当に感じるから。  嫌がる素振りを弱々しくする手を押さえつけ、心ゆくまで舌と歯と唇でそこをあじわった。  上がる声。  震える身体。  固くなって、もう勃起している先輩の性器に、自分の固くなったものを押しつけ擦り合わせながら。    乳首を舐めて吸われて噛まれて。  先輩は達した。  身体を震わせて、俺の腹を濡らしながら。    わけわからなくなって、取り乱して、泣いてるのが可愛いすぎた。    「違う・・・違うのに・・・こんなのオレじゃない・・・」  泣いてる先輩を抱きしめた。  落ち着くように、背中をなでながら。  「可愛い。ホント可愛い」  囁き、またキスをした。  先輩の腕を俺の首へまわすように誘導した。  先輩は泣きやまなかったけれど、俺の首にすがりついて。  それが可愛いかった。  抱きしめたまま、指で尻を拓いてその穴をほぐしても、もう抵抗しなかった。  声を上げて、身体を震わせ、俺にすがりついてきた。  その可愛さに、出してしまいそうになるのを何度もこらえた。  首を齧り、耳を齧り、その味で耐えた。  唇も何度も貪った。  旨すぎて。  舌も何度もかじった。  「違う・・・違う・・・」  今でもそんなことを呟く姿が可愛い過ぎて。   尻の穴に指を突っ込まれて、身体を震わせているくせに。  指で中をぐり、そこを見つけ出した時は、執拗に虐めて中だけで射精させたのだった。  「違わない・・・あんた、やらしくて、ホントに可愛い」  俺は何度もそう囁いた。  先輩は泣いた。  もっと泣かせたくなる顔で。  だから四つん這いにして、尻を持ち上げ、その穴の中に突っ込んだのだ。  「痛い・・・痛いっ」  泣かれた。  でも止めない。  ゆっくり入って馴染むまで待った。  「痛い・・・抜いて、抜いて」  先輩が泣くのを首や肩にキスして宥めた。    止めてやる選択しなど、さらさらなかった。  ゆっくり動いても、痛いと泣いたけれど、初めてだから、何も知らないから痛いのだと思ったらたまらなくなった。  キツくて、こちらも痛いくらいだったけど、それも含めて、もうどうしようもなあくらい良かった。  ゆっくり、でも次第に思うままに動いてしまった。  「痛い・・・抜いて、ぬいてぇ・・・」  泣いていたのが可哀想で、後ろに顔を向かせてキスをした。  舌を擦り合わせて、吸ってやると、身体がほどけてきた。    指で感じたところを突いてやれば・・・身体が震えた。  ふうっ  息をもらし、前をまた勃ちあがらせていく。  「気持ち良くなってきた?」  胸もいじってやりながら言う。  「良くない・・・良くない・・・」  泣いてるくせに、前からこぼし始めていて。  素直じゃないのが可愛いから、感じるところをしつこく突いた。    「嫌だぁ、ダメ・・・」  逃げようとする身体をおさえつけてさらに突く。  声を上げてイったのを確認して、締め付けてくるその中に、その奥にたっぷり放った。  我慢した分、めちゃくちゃ気持ち良かったし、  この中を汚したことがあるのが自分だけなのに満足した。  先輩は身体を震わせなから泣きじゃくる。    違う。  違う、と。  だから、教え込むように、また動き始めた。  「違わない。あんたは俺に突っ込まれてイったんだ。そして、これからもっと奥まで俺に突っ込まれて犯される。・・・あんたは俺のモンになる、奥の奥まで」  俺は馴染みはじめたそこで、大きく動いた。  先輩は悲鳴のように声を上げたけれど、もう、感じているのはわかっていた。  挿れたまま、体勢を変えた。  顔が見たかった、    快楽に溺れる顔は、涙で濡れて。  「違う違う」と呟く声も、唇も、濡れていて扇情的で。  色がなかった顔はもう、艶やかで、いやらしくて かわいくて。  なぜ、この人のことを冴えない男だと思っていたのか俺はわからなかった。  「可愛い。マジ可愛い」  俺はキスしながら何度も言った。  心ゆくまでその中を楽しんだ。  送り込む度に、返ってくる反応がさらに快楽を増幅してくれる。  締め付けられ、絞られ、喘ぐ声に、涙に、表情に。  「ごめん、止められない」  俺はかすれる声で言った。  初めての時より夢中になっていた。    先輩も自分から腰を振り始めていた。  それにさらに煽られる。  「もっとって言って」  教えた。  「違う」の代わりに。    先輩が泣きながらそう言い始めるまでそんなにかからなかった。  俺は先輩が動かなくなるまで、その中に出し続けた。  いや、実のところ、動かなくなっても。

ともだちにシェアしよう!