2 / 9

胴慾 2

* 緋音さんの両手首を片手でまとめて掴(つか)んで押さえつけ、深く口吻(くちづ)けて体中撫ぜて、オレのこと以外考えられないように。 本当に・・・どれだけ心配したと思ってんだか。 電話も出ないし、LINEも既読にならないし。 知り合いや先輩や、ありとあらゆる関係者に連絡して、しかもみなさんオレが知らない人に連絡してくれたりして、緋音さん捜索(そうさく)に協力してくれて迷惑かけまくってしまった。 緋音さんからやっと連絡がきた結果、酔っ払って寝てて、スマホは電池切れだったって。 バカバカしくて、恥ずかしくて。協力してくれた人達に連絡取れたことを報告しつつ、溜息をついた。 緋音さんが無事だったという安堵(あんど)よりも、情けなさの方が強かった。 同時に、それはそれでダメだとわかっている。 怪我もなく無事でいてくれたことを喜ばないといけないって、わかってるけど。 いい大人なんだから、こういうの本当に勘弁して欲しいって思ってしまう。 事故にでもあったんじゃないか。何か事件に巻き込まれたんじゃないか。 そんな嫌なことを、ずーーっとぐるぐる考えて。頭の中ぐちゃぐちゃで、眠れないまま夜が明けていた。 でも本人はこっちの事なんかお構いなしで。こっちが不機嫌なのを、全然意味わかんないって顔で見て来たことに、少しだけ苛々した。 整った呼吸を繰り返す紅い口唇と、真っ白な奇麗な肌と、微(かす)かに震える長い睫毛(まつげ)、スラリと通った鼻筋、細く折れそうな首筋、全部が愛おしくていやらしくて、飲み込んで閉じ込めたくなる。 苛々(いらいら)した。 緋音さんの暢気(のんき)さに。自分がどれほどの人に迷惑かけたのかも、オレがどれほど心配していたのかもわからない、 だから、寝こみを襲うように、のしかかって動けないようにして、口吻けて、緋音さんの気持ちいい所全部まさぐって撫(な)ぜて。 少しは反省してもらわないとね。 起きてしまった緋音さんが、口では嫌だって言いながら、一切抵抗せずにオレの舌を搦(から)めとって、オレの手の動きに合わせて淫らに体を捩(よじ)る。 「はくえ・・・ぃ・・・やだっっ!!」 白い頬が紅(あか)く染まって、大きな瞳が熱に浮かされて蕩(とろ)けるように瞬(まばた)きを繰り返す。 緋音さんの瞳が、体が、これからされることを期待して、渇望(かつぼう)して、貪欲(どんよく)に異常な色気を振りまき始める。 嫌だっていいながら、体は思いっきり誘ってくる。 トロンと蕩けた潤んだ瞳も、熱い吐息(といき)を繰り返す口唇も、露(あら)わになっている鎖骨から胸は桜色に染まって、腰は誘うように嫌がっているかのようにうねって、脚は完全に誘っていてオレの股間に擦(こす)り付けて、上下に扱(しご)いている。 嫌だ嫌だって言いながら、こんな風に誘ってくる。 とんだ淫乱だな。 オレは緋音さんの黒の綿パジャマのズボンと下着を脱がせて、ベットサイドのチェストからローションと、ある物を取り出した。 緋音さんは蕩(とろ)けた瞳でオレを見上げると、オレが手にしている物を見て、驚いたように目を見開いた。

ともだちにシェアしよう!