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第10話
「あー、オレっちって余裕ないなぁ」
土曜の夜一晩泊まって、日曜の朝にラブホテルから帰ってきたオレは直ぐにシャワーを浴びた。
ラブホテルでもシャワーを浴びたけど、どうもシャンプーが合わなくて髪を洗った。
「お前、独り言大きいぞ」
独歩が風呂場に裸で入ってきた。
今日は積極的じゃない?
「どっぽちん、枕営業辞めなくていいからね」
「辞めない」
……なんか即答されると、オレ泣けてきそうになるし。
「どっぽはレシート取っとかないで捨ててね?部屋掃除するのオレっちなんだから」
独歩を引き寄せて、一緒にシャワーを浴びた。
「俺はお前に軽蔑されたいのかもしれない」
独歩は朝からネガティブだ。
爽やかな朝なんだから、一緒の朝を迎えられる今日だから、そんなこと言ってほしくない。
「今はネガティブなの辞めよ?」
「枕営業辞めろって言われるかと思っていた」
「じゃ、どっぽはオレにホスト辞めてって言ってくれる?」
「言わない」
「ならオレも言わない」
シャワーを浴びながら独歩に口付けをした。
独歩がどんなことしてても、やっぱ好きって思うし。
オレが独歩を捨てることは考えられないし、オレが独歩から捨てられることとないだろうって思った。
確かにオレ以外の男に独歩が抱かれてるのは気に食わないけど、その弱さひっくるめての独歩が好きだから。
「でも、せめてヤキモチ焼くのは許してね?」
オレはリップ音を立ててキスをして、独歩の身体をまた強く抱きしめた。
どんな独歩でも、やっぱ好き。
完
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