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第2話
光樹side
俺の実家は結構大きな会社を経営している。
俺も前まではそこで働いていた。
俺と想也が会ったのは高校の同窓会だ。
高校のころは違うクラスで殆ど面識が無かったけど同窓会で想也を見た時俺は想也から目が離せなかった。
あれが一目惚れって言うんだと思う。
俺は想也と共通で仲のいい友達を使って想也に話しかけた。
何度か一緒に遊んだりしているうちに俺はやっぱり想也が好きなんだと実感した。
「なあ、俺が想也のこと好きって言ったら引く?」
俺がそう言うと想也は一瞬目を見開いてこっちを見た。
そりゃそうか…
男から好きなんて言われて引かないわけないよな…
「ひ、引かない…」
もう諦めている時聞こえてきた声に顔を上げる。
さっきまで見開いていた目からは涙が溢れていた。
「俺も光樹の事好きだよ」
こうして俺と想也は恋人になった。
最初でも言ったが俺の実家は大きくな会社を経営している。
だから俺も将来会社を継ぐ立派な人間になる様に厳しくしつけられてきた。
だから当たり前の様に想也との交際を認めてくれるはずもない。
でも、あの日俺は決めたんだこれから先もずっと想也と一緒に居るとだから決着を付けなくちゃいけない。
だから想也との一生を誓った次の日俺は家を出て実家に向かった。
「駄目だ。お前には後継ぎを残してもらわないといけないんだぞ。それに矢鍋コーポレーションの次期社長の恋人が男だなんて知れたら信用がガタ落ちだ。今すぐ別れろ」
「嫌です。そんなに嫌なら俺はこの会社をやめてもいいしこの家を捨てても構わない!」
そんなの嘘だ。
いや、嘘じゃないんだけど。実際本当に家も会社も捨ててもいいも思ってるし最後まで認めて貰えないなら本当に俺はそうするつもりだ。
でも、それじゃあダメなんだ。
想也だって仕事があるんだからそう簡単にこの家からは逃げられない。
「はぁ、分かった。じゃあ3ヵ月だ、」
「え?」
「3ヵ月お前は家に帰るな。」
「どういうことですか」
父親の言葉の意味が分からなかった。
「お前の恋人がお前を3ヵ月待って入れたら認めてやってもいい。但し少しでもお前から気が逸れた様な様子を見せたらその時は認めない」
3ヵ月…
想也が俺を待っていてくれたら…
「分かりました」
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