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1.恋する警察官
健斗 side
守りたいモンがある
「健斗さん色々だらしないですよ」
「ふぁ~。んだよまだ11時じゃねーか、休みの日くらいだらだらしようぜ」
「もう、11時です。休みの日だからってだらだら惰眠を貪ってていたら生活リズム崩れちゃいますよ。休みの日でも普段起きている時間に起きるか、最低でも1.2時間程度遅く起きるって感じにしておかないと」
「えー」
「それに起きてきたならちゃんと服を着てください、昨日食べた晩御飯もそのまんまだし、食器はスグに洗い場にゴミはゴミ箱に普通の人並みには生活しましょうよ......」
「へいへい」
「返事ははいで1回です!」
「お前は俺の母ちゃんか」
「こういう風にさせたのは誰ですか......」
そう言ってため息を吐きながら部屋の片付けをし始めたガキ。
村上昴(むらかみ すばる)俺が昔保護したガキでまぁ今は世間一般で言う恋人って奴だ。
まだぶつぶつ言う昴の小言を聞き逃して椅子に腰かけ、綺麗に並べられた朝食に手を伸ばす。
勿論「いただきます」の挨拶も忘れずに。
「もう今年の夏で27だろ......」
そんな俺を見てため息と共にぽつりと言葉を零した昴の方へ顔を向ける。
「お前は今年の夏で16だなーぴっかぴかの高校1年生くん、青春は謳歌しろよ~」
「そういう事を言いたいんじゃなくて......はぁ、もういいです」
「お?」
「どうせあんたに何言ったって無駄なの分かってますから」
「それなのに毎回不毛な注意を続けるよなー」
「っ~それはあんたが!」
「ハッハッハっ、わりぃわりぃ」
「悪いって思ってないくせに」
「そう拗ねんなよ」
「拗ねてません」
「ちっさい頃はもーちょい可愛気があったのになー」
「すみませんね、可愛くなくなって」
「いーや」
「わっ」
「その可愛気が無い所も可愛いって事だよ」
ちゅっ
そう言いながらおもむろに立ち上がり、昴の腰に手を回し抱き寄せ額にキスを一つ
突然の事に固まっている昴にもう一つキスをお見舞いしてやろうと顔を近づけたがその行為は我に返った昴の手によって遮られてしまう。
「ちょっ止めて下さいよ!すぐそうやって誤魔化そうとする」
そう言う昴の顔は耳まで真っ赤でついつい笑ってしまう。
そんな俺にまだ赤い顔をぶすっとした表情に変えながら「俺はとりあえず買い物行くんでその間に部屋の掃除しといて下さいね!!」と言う言葉だけ残し昴は部屋を出ていった。
「すーぐそうやって赤い顔誤魔化そうとすんのは昔と変わんねーな」
パタンと音を立てて閉まった扉を眺めながら軽い笑いと共にそんな言葉が口から零れた。
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