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60.恋する幼馴染

 颯希 side  新入部員が増えて数日経った。  新しく入った愁は人懐っこくて誰とでも仲良くなれるタイプみたいで実際話すと楽しくて、何だか弟ができたみたいだ。  すばるんはすごく大人しくて、大人っぽい。  初めて俺がすばるんって呼んだ時は目をぱちくりさせて驚いていたけれどもう慣れたのか普通に返事をしてくれる。  それにしてもそうちゃんから健くんとお付き合いをしていると聞いた時はすごく驚いた。  健くんに恋人が出来たのは前に会った時に気がついていたけれどそれがまさか男の子だったなんて、もう、もう、一瞬真顔になったし、その後はにやにやがもう抑えられないわ、感情が爆発しそうだわで、早急にそうちゃん家を後にした。  家に帰ってからとりあえず枕に顔を突っ伏して叫んだよね、いや、もうこれは仕方が無いよね、うん、すごいよ身内にまさかこんな萌爆弾投下されるとか思わないじゃん?  いや、もう本当にありがとうそうちゃん。  そんでもって雪ちゃんは大人しい見た目で普段漫画と言っても少女漫画しか読まなさそうな雰囲気なのに初めて会った時に言っていたように兄弟の影響か、ゴリッゴリの少年漫画好きで正直めちゃくちゃ話が合う……それに凄く良い子だし、うん、だからなんて言うか、もしかしてそうちゃんのこと好きなのかな?なんて思う気持ちはありつつもそれを聞く勇気は俺にはなくてとりあえず今の所はアニメトークが盛り上がる後輩ちゃんって感じ。  そして俺は今、カラオケボックスに裕先輩と2人、向かいあわせで座っていた。 「それで、何があったのか詳しく話してください」 「圧がすごいな」  真顔で詰め寄る俺にはははなんて笑って裕先輩が1歩下がる 「いや、本当あの時叫びそうな気持ちをめちゃくちゃ押さえつけて平静を保った自分を褒めてあげたいくらいですよ!!その後も色々聞きたいのに中々裕先輩と2人っきりになれないし、その間にも愁は愁で毎日ことある事に裕先輩に好き好きアピールするし、その度に俺がどれだけ自分を律して叫び出さないようにしてた事か、本当にありがとうございます!毎日ご馳走様です!!」 「何かすごく複雑な気持ちだな」 「で、何がどうしてこうなったら初対面だった愁が裕先輩を好きになるんですか」 「いや、何か不良に絡まれてる所を助けたら告白された?」 「めちゃくちゃ端折ってるでしょ」 「えー、だって話すのめんどいし、俺、自分のカップリングには萌えない訳よ」 「そんな事言わずに!可愛い後輩の為だと思って」 「自分で言うな、自分で」  そう言いつつため息を漏らしながらも淡々と裕先輩は愁との出会いを語ってくれた。

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