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第三章・3
「白穂、今夜の君はちょっぴり悩ましい目つきをしてるよ」
本に目を落としたモデルポーズを崩さないまま、希は言ってきた。
「え? そ、そうかな?」
「どう? 絵はそろそろやめにしないか?」
「希、疲れた?」
「疲れてはいないけど、他にやりたいことがあるんだ」
(ほ、他にヤりたいこと、って……!)
ぱたん、と本を閉じ、希はまっすぐ白穂に向かってきた。
「白穂、正直に言ってごらんよ。君は、何がやりたい?」
薄く笑う希の唇は、めまいがするほどセクシーだ。
「希……」
白穂は返事の代わりに、彼の唇にキスをした。
「ん……、白穂……」
ちゅく、くちゅと唾液の音をさせて、二人は濡れたキスをした。
時折息を継ぎながら、夢中で互いを求めあった。
「はぁ、は……、希」
「ベッドへ行こうか、白穂」
途中で何度もキスをしながら、二人は白穂の部屋へ向かった。
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