28 / 76
第三章・7
「……ねぇ、希」
「何? 白穂」
ベッドの上で気怠い身体を持て余しながら、白穂は疑問を希にぶつけてみた。
「どうして、僕を抱いてくれたの?」
ふふっ、と小さく笑い、希は逆に白穂に訊いた。
「どうして、発情した時に僕を選んだの?」
「そ、それは」
「誰でもよかった?」
「違うよ! 希だったから、抱いて欲しいってお願いしたんだ!」
じゃあ、それは。
そう言って、希は体ごと白穂の方を向いた。
「僕も同じだ。白穂だから、抱いたんだよ」
はぁッ、と白穂は熱い息を吐き、希の言葉に酔った。
「それは……、好きってこと?」
「そう。僕は、白穂のことが好きだよ。君は、どうなの?」
「僕も、希が大好き」
よかった、と希は白穂の髪を撫でた。
白穂も、希の髪を梳いた。
ともだちにシェアしよう!