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雪虫 落ち穂拾い的な 46p

 なんだかんだと文句を言いながらも、机の前に座って実験を待っているしずるを、「ちょろいな」の一言で済ましてしまう大神さんは鬼だ。 「まーしかし、あれだね、大の大人が三人顔突き合わせて、前途ある若者の脱童貞をどうしてやろうかって話してるのもシュールだね」 「先生は楽しんでいるでしょう」 「実に楽しいねぇ!」  しずるも不憫だ。 「もう成り行きに任せてやったらいいんじゃないでしょうか?」 「それで雪虫に何かあったらどうする」 「多かれ少なかれ、受ける方は負担ありますって」 「あいつ童貞だから絶対テクないぞ。傷つけたり、入らなかったりとか、やらかしそうな事をすべて予習させといた方が良くないか?」 「そこは雪虫も初めてですし、ごまかせますよ。お互い様でしょう」 「再度失敗したらどうするんだ。すごく落ち込んでたと報告を受けたぞ」 「なんでそこで大神くんがやきもきしてるのー」 「そこは大神さんがどんと構えて慰めてやったらどうですか?」 「俺が?慰める?」  今まで見た中で一番深いんじゃなかろうかと言う眉間の皺が、怖い。 「慰める……」  豪快なようでいて、自分が引っかかった所はずっと後引く人だから、当分難しい顔して慰める方法を考えるのかもしれない。  唸り始めた大神を置いて、瀬能は小瓶の乗った盆を持ち上げた。 「まぁまぁ、とりあえず実験やっちゃおうか」 END.

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