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花はおっぱい 落ち穂拾い的な アレ

「肝試し行こう」 「行こー」  無駄にキラキラなバカ犬が二匹、涼しくなる必要もないのにバカなことを言い出した。 「りっか行こ?」  もう一人も言い出した! 「いやいやいや、銀花怖いの苦手だろ?第一そんな季節じゃないし」  そう言ってホットコーヒーの入ったマグを置いた。  アイスコーヒーはもうおしまいの季節だ。 「そだね、りっか服着てるし」 「服着るようになったねー」 「服着てるな」 「人を露出狂みたいに言わないでくれる?」 「でも普段おっぱい丸出しじゃん」 「丸出しー」 「丸出し言うな。パンツは履いてるもん」  寒くなったから大きなサイズのパーカーを一枚着ているけれど、基本、家で服は着ない!  最後の良心でパンツは履いているけれど、正直それもいらないんじゃないかと思ってる! 「銀花は脱がないの?」 「脱いだらいいのにー」 「おとうさんが怒るんだよ。あとお腹冷えるし」 「おっぱいー」 「おっぱい出そうよ」 「おっぱい」 「おっぱい」  仁と義がうるさい…… 「肝試しってどこ行くの?」 「グリーンベルトの公園!」 「猫のお化けが出るんだって!」  グリーンベルトは海風を避けるために砂浜に沿って長く植えられた林で、なかなかに鬱蒼と木が茂っているせいか、昼でも立ち入り難い雰囲気がある。  そこに、化け猫? 「銀花も珍しく行きたいって言ってるしさぁ」 「銀花!猫は飼えないからね」 「何も言ってないよ」  と、言いつつも視線が泳いてる。 「バカ犬が二匹もいるんだから、これ以上飼えないよ!」 「俺達バカ犬じゃないよ」 「違うよー」 「おっぱいしか言えないんだからバカ犬でいいよ」 「おっぱい」 「おっぱい」 「もーいいって」  そう言ってコーヒーを一気に飲み干した。  悔しいけれど、やっぱりあのコーヒーの方が美味しい。  なんとも言えない気持ちでパーカーを脱いだ。 「おっぱい見えてるよー」 「俺のおっぱいはもういいよ。ほら、出かけるんだろ、準備しなよ」  そう言うと三人の顔がぱぁっと明るくなる。  無駄にキラキラするから止めて欲しいんだけど……急な肝試しに誘ってきたのが、失恋した俺を慰めるためだってわかってるから…… 「仁、どさくさ紛れで銀花のおっぱい揉めるかな?」 「ダメだ、義。俺が先におっぱい揉む」  俺を、慰める為 のはず…… END.

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