168 / 665
狼の枷 26
意地悪くソコを擽ってやると流石に大神は身を捩った。
「ん 」
「 奥まで挿れて、子宮にちゅ してぇ」
「朝から熱烈だな」
目を開けないまま起きようと言う意思のない大神は、そのままであかの腰を掴む。
握りつぶせてしまうのではないかと言う程細い手中の腰の感触にやっと目が開く。
「細いな」
「でも、ちゃんと入るよ? ねぇ、噛みながら挿れて」
微かに頬を赤くしながらあかはそう言うと、手を添えて勃たせた大神に跨がろうとした。
先端で押し込まれたアナの入り口がひくんと引き攣り、ソレを待ち望んでいたのだと言わんばかりの動きでソレを飲み込もうとする。
微かに開いたアナの端から昨夜に散々注がれた白濁の液が溢れ、赤く熟れたようなその先端をしっとりと濡らす。
「ゃ 出ちゃ」
とっさのその声に、泣きそうだと大神ははっと覚醒したが、目の前のあかは指をその白濁液で汚して嬉しそうにしている。
矯めつ眇めつ眺めるその姿は小さな子供のようにも見えた。
「大神さんの 」
うっとりと呟くあかをシーツの上に引き倒し、そこに無防備に投げ出された四肢を見渡す。
「具合の悪い所は?」
「具合 ?」
ぽっと目元を赤らめたあかが何を考えているのか、大神が思い至る前に腰に細い足が絡んだ。
「ここ、噛んでくれたらもっと具合良くなるよ?」
ぐっと首元の無骨な首輪を引っ張る。
「熱い、ここ 噛んで」
仰け反って少しでも項が見えるように首を傾げ、歯形の付いた飾り気のない首輪を邪魔そうに引っ掻いた。
「煙草を吸わせろ」
力付くにならない程度の強さであかの手を押し除け、枕元のシガレットケースに手を伸ばす。使い込まれた光沢のそれを開けて一本咥えた。
「離れちゃ嫌だ 」
「離れないから、じっとしてろ。……体で、痛い箇所はないか?」
「痛い ?」
ふぅん?と首を傾げると、シーツの上に黒い髪がさらさらと広がる。
それを大きな手で梳いてやりながら、体を起こして火をつけた。途端に広がるきつい日本では馴染みのない香りが漂って、あかの匂いをかき消していく。
「ここは?辛くないか?」
無骨に見える指が器用に双丘の奥を軽く押した。
白い皮膚が引っ張られてぽたりと垂れる白濁に、あかは小さく首を振って嫌がる。
「駄目、出さないでっ 」
逃げる体を捕まえて膝に乗せ、大神はいつものようにふぅ と煙を吹き付けた。
「大神さんの精液、出ちゃうの 嫌だっ」
「いい加減、目を覚ませ」
「目 ?」
「もうココも固くなってる、ヒートも終わったろう?」
「なに いって 」
二度目にふぅ と煙を吹き付けられて、あかははっと自分を見下ろした。
当然とばかりに男の膝の上に跨っているその体は、自分が強請った噛み痕と赤い花弁のようなキスマークがいたる所についていた。
自分が、強請って……
「 あ」
ぶるりと体が震えた。
ともだちにシェアしよう!