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どっとはらい 5

 こぷり と液体を漏らしたプラムの様な先端の割れ目に、小さく振動するソレを押し付けた。 「アナ は、も   ゆるゆるで、もう もぅ、ィっちゃいそう、です  んんっ」  柊がよく見える様に土足で汚れた床に倒れ伏し、精一杯尻を上げて、細い指で襞を指で伸ばしつつ、くぱりとソコを開いて見せる。  赤く蠢き、モノが欲しいと訴えかけている。 「ししょ  ぉの、かたくてなが  ぁい、ち◯ぽで、乱暴に突っ込んで欲しぃ  」 「突っ込むだけでええんやな?」 「や、  ちが っあと、こっち  」  真っ赤になって痛いだろうに、ハルキはその先端にバイブを押しつけたまま、もう片方の手でゆるゆると扱き出した。 「それか  ら、チクビぃ   噛んで、吸って   ご褒美、くだしゃ  ぁっ」  はは と柊は愉快そうだ。 「お客様 が、いる ぁいだ、 ぁっ  イかな いように、頑張った、んで」 「褒美は強請って貰うもんちゃうで?」  意地悪気な言葉にハルキははっとなって泣きそうになり、動かしていた手を止めて潤む目を向ける。 「 えと  」 「次はお仕置きやで?」  薄く笑い、柊は自分の足をとんとんと叩いて見せる。 「来い」  ぱぁっと顔を明るくしてハルキはその場所に跨がる。  萎えないままのソコを擦り付け、肩を小さく震わせて呻く。 「コレ、キツかったか?」  乱暴にハルキの首輪に指を引っ掛けて引っ張ると、「きゃんっ」と声が口から漏れた。 「んっ  気持ち良かった、息が苦しくて、興奮した  」 「さよか」  くるりと一周、指を這わせて傷が出来てないかを確認して、柊はハルキに許可を出す。 「自分で準備して、ちゃんと自分で動くんやで?」 「んっ  分かりました 」  わざとらしくちゅうっと音を立てて柊の唇に吸い付いてから、ハルキは床に降りて口だけで器用に柊のスボンの前を寛げた。  頬を寄せて、愛おしそうに擦り寄る。  動き始めたつむじを見てから視線を机の上にやると、憎々しげにこちらを見詰める目があった。 「あの子は……単純やなぁ。大体言うたのに気付いとらへんかったし」  ふ と熱い息を吐き出して、ハルキのふわふわとした髪を鷲掴んだ。  憎々しい……  忌々しい……  厭わしい  チリ チリ と肌を焼く様な悪意。  はは と笑い声を漏らして、柊は片手の指を宙に踊らせて複雑な文字を書き、ふっとそれに向けて息を吹きかける。  ────きしり  軋み歪み、一度ばたんと跳ねて人形はまた再び四肢を投げ出した。 「ま、こんなとこやな。後は山桜の君に中身ごと焼いて貰えばええ」 「ひしょぉ?」 「木とおが屑の人形がそこまで重いなんて、ありえんやろ」  きょとんと股の間からアーモンド型の目が見上げてくる。 「なんの話ですか?」  唇の端の汚れを拭ってやり、柊は機嫌良さげに首を振る。 「なんでもあらへん、知らんでもええ事もあるって事や」  消臭スプレーを見て、異国では悪霊避けの加護がある宝石と同じ色味の双眸を細める。 「   これで世の中めでたしめでたしや」  そう言って何も映さなくなったガラスの瞳を見詰め返した。 END.

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