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ひざまずかせてキス 45
抗いがたい、甘い……Ωのフェロモン!
開いた縁から視界を霞ませるような臭いが立ち上る。
「さが らっ!閉めろ!」
咄嗟に距離を取ろうとしたけれど、足元の服に引っ掛かって倒れ込んだ。
せめて窓を開ければ薄める事が出来る……と、窓に這い寄ろうとしたが足がうまく動かない。
体中の神経が相良の持つ水筒に向き、離れようとする動きを取っているはずなのにいつの間にか相良の方へ這い寄っていた。
「なんかこれ、オメガのフェロモンらしいんだけどー……って、ナオちゃん大丈夫?」
無性の相良には何も臭わないらしい、水筒を覗き込んでふんふんと中の匂いを嗅いで首を傾げて、キョトンとしている。
「し、めろっ!」
「え? でも、ナオちゃんすげぇやらしい顔になってるのに?」
なんとか相良の元まで這い寄り、足を掴んで立ち上がろうとしたけれど相良は水筒を渡す処か上に手を上げてしまった。
「何をっ 早くしないとっ」
「早くしないと発情しちゃう?」
ぐぃっと足の間に差し込まれた相良の爪先が、遠慮なくオレの股間を踏みつけてくる。
「ぅあっ」
「もう勃ってる。すげぇやらしい顔 物欲しそうな顔してんよ?」
「それを閉め れ、ば治まる!」
「こんなバッキバキの?」
そう言うと相良は爪先で、先端からゆっくりと裏筋をなぞるようにして撫で始めていた。弱いその箇所を撫でられて、フェロモンを吸い込んだα因子持ちの人間が正気でいるのは難しい。
自然とその爪先に股間を摺り寄せて……したくもないのに相良の足で自分を慰めるなんて情けない事になっていた。
フェロモンに当てられただけなのに、抗えばいいだけなのに、相良に縋ってその股間に息衝くモノに唇を寄せる。オレの荒い息が刺激となるのか、布越しにぴくりと反応が返るのが感じられて……
濡れないソコが疼く……
男臭い、決していい匂いではないのに、抗えない。
「はは すげぇカワイイ コレすげぇ」
「 醒めたら 覚えとけよ……絶対っ ぶっ殺すっ」
はぁはぁと上がる息の下から呻いてやると、それでも相良は嬉しそうに顔を歪めて、興奮しきって堪らないと言う雰囲気だった。
目が回る……
かなり濃い、フェロモンだ……
相良のモノを勃てたくて、懸命に舌と口と手で奉仕した記憶が朧げにあったが、張り詰めた自身の痛みにそんな事はどうでもいい事だった。
形の良いソレを下から上へと舐め上げ、ずっしりと重い精子の入った袋を柔く揉む。
「ナオちゃ それされると、もたな っ」
「ぁ、や、ナカ、 ナカに出すまで、ナカで……」
「間にっあわ っ」
「出る」と呻く相良を下の口に誘導するのは無理そうだった。
仕方なく、竿を扱きながら口を開けて舌を出す。
「な ななな、ナニ⁉」
「ふぁせ」
言葉はうまく出なかったが、意味は通じたらしい。
目の前で震える相良のモノの血管が脈打ったと思った瞬間、顔に温かい白濁がぴしゃりと飛び掛かった。
「ナオちゃ っ顔っ 」
幸い目には入らなかったけれど、鼻の辺りから頬を伝い落ちて、口の中にも入っている。
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