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花占いのゆくえ 2

「アルファとオメガの間にって言うよりは、アルファ因子とオメガ因子の間にある なんだよね」  意味ありげな言い方だし、説明する気があるのかとも思うが…… 「だからほら、相性が良ければベータでも番えちゃったりするでしょ?」 「はい、知っています」 「まぁよっぽどだから滅多にないけど、でも傾向としては増えてるかなぁ」 「ベータと番になれる のが、ですか?」 「うん   なんかね、急速にバース性の境目が曖昧になってきてる気がする……」  最後の言葉はオレに向けられた言葉じゃないようで、この医者の独り言と思った方が良さそうだった。  一瞬、遠くを見るような目をしてから、医者ははっとなってペンの尻で机をトントンと叩く。 「相性のいい相手が気になるなら……どうする?君ももうマッチングの申請出来る年だけど、やってみる?」  今まではなんとなく向こうから寄ってきたし、薫のことがあるから気にしたこともなかったけど……  バース性を取り扱う機関から太鼓判を押されたならば、本当に運命の相手だったりするかもしれない。  父と母のように恋に落ちることが出来るのだとしたら、そうしたらオレは薫を忘れる事が出来るんだろうか? 「   こ 好みのタイプとか選べるんですか?」 「もちろん!遺伝子上相性がいいイコール自分の無二の相手ってわけじゃないからね!運命の相手を見つけましたメデタシメデタシ……で、終わらないのが現実だよ、性格や生活習慣が違ってたら辛いもんねー」  メデタシメデタシで完結してしまっている両親を知っているだけに、医者の説明はピンとこない。 「まぁ相手がオメガだから、誰が来ても可愛いと思うよ」 「それって、なんでですか?前につかたる市以外から遊びに来た奴が、ここは目の保養になるーって喜んでいたんですけど」 「アルファやオメガは相手に選んでもらわなきゃいけないから、『性淘汰』が激しいんだよ。その顔ばかりがもてる訳じゃないけど、モテる傾向の顔立ちってあるだろう?それに特化してくから、アルファもオメガも綺麗な顔立ちが多いんだよね」  孔雀の羽アピールってとこか? 「まぁその顔立ちも、アルファは強く、支配的、強い、男性的、攻撃的、捕食的。オメガはか弱く、庇護欲をそそる、弱い、女性的、守備的、被食的。と分けられてたりするから、多岐に渡るわけだけど」  ぴ と指先が自分の顔を指してきたからびっくりすると、先生ははは と悪戯っ子のように笑った。

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