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Dog eat Dog 9
マティーニのオリーブを突きながら、下らない平和な会話に相槌を打ってへらりと笑って見せた。
オレは別に即ホテルでも良かったんだけど、この男は雰囲気重視らしい。中には、はっきりとΩなので……と言った途端、引きずり込むようにホテルに行った奴もいたし、そんなのでいいはずなのに、この大沢は他愛ない話を続けたがる。
「すごーい!そうなんですか?」
大袈裟に話の相槌を打つふりをして、大仰に驚いて見せる。その目的は突っついていたオリーブを転がして、大沢の方に身を乗り出すため!
狙い通り、グラスから弾かれたオリーブはころころと大沢の方へと転がった。そこで透かさずに大沢の方へとぎゅっと体を押し付ける。
オフショルダーにしてて正解だ!
案の定、オレを見下ろした大沢はぎょっとなって慌てて目を逸らしてしまった。
「大沢さん?どうし 」
「い、いつかさんはっ 」
はっとしてから、大沢は周りを見渡し、人が何人もいることを確認してからそっと声を潜める。
「し、下着を つけて 」
「ぁ っん、あの、私、ちっさいから」
ひそひそ話なのだから……と、伸び上がって大沢の耳の傍で手で声の広がりを押さえながら言うと、大沢は赤い顔を増々赤くして顔を反らす…………けど、視線はオレの襟の辺りをちらちらしている。
「あ、の、見えちゃいました?」
声を潜めるために上げた腕でいい感じに胸の側面の方を押さえてやると、オフショルダーの隙間が空いて服の中にひやりとした空気が入り込んできた。お陰で小さい乳首が固く立ち上がってくれて、イイ感じに大沢の目を留めてくれていた。
「────っ あ、暑いですねっ少し涼みに行きましょう!」
下手なセリフだなーと。
素直にホテルに行こうでいいのに。
いや、オレに乗っかりたいって言ってくれた方が、その後のことを考えるとすごく興奮するから、そう言って欲しい。
てか、足いてーから歩きたくないんだけど……
仕方なくよろよろと大沢の後をついて行くと、オレのよろつきに気づいたのか大沢がはっとした顔をした。
「よ 酔われてます?お酒、弱いんですね」
ザルです。
「大沢さんといると楽しくて、つい飲みすぎちゃった……」
小さく肩を竦めて「えへへ」とドジっ子を装って笑ってやると、間抜けな面が赤くなって固まった。
「あっあの、普段はこんな飲まなくて ────あっ」
固まった大沢の心情をあえて間違えて解釈し、言い訳をしようと慌てるふりをして、更に重ねるように足を挫いたふりをする。
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