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欲_13
「なーに?」
注がれる視線に気が付いて、わざとらしく問い掛けてみる。
「着痩せするって本当だったんですね……僕と全然違う……」
見惚れるって言うよりは憧れに近いのかな、この視線は。
「触ってもいいよ」
「え、いいんですか?じゃあ………」
おずおずと伸びてきた手が腹筋に触れて、郁弥くんは子供のように目を輝かせる。
「すごい、格好いい……」
「ふふ、照れちゃうな」
「肌も綺麗で長谷さんってモデルさんみたいですよね」
「ははっ、モデルって…褒めすぎだよ」
「そんなことないです!だって長谷さんとお出掛けすると皆長谷さんのこと見るし、どこに行ってもキラキラしてて僕なんかが隣に居るなんて申し訳なくなってくるぐらいで……」
「自分を卑下するのは君の悪い癖だね。正直周りの評価なんてどうでもいいんだけど、郁弥くんが格好良いって思ってくれるのは嬉しいよ」
今度は僕が郁弥くんの晒された肌に触れた。
「さて、今度は僕の番だよ」
筋肉が付きにくい彼の身体は柔らかく、細い。
白い肌には細かな痕が散らばっていて、それに触れる度胸がざわつく。
「あ…の、ごめんなさい……身体、汚くて」
「え……」
「長谷さん傷に触る度怖い顔してたから……」
「………ごめんね、汚くなんてないよ。ただ嫉妬しただけ」
「でも………」
「嘘じゃない。………これ、全部キスしていい?」
「全部……ですか?」
「そ、全部。全部僕で上書きさせて」
「…………はい」
最初は肩口の痕から。
小さな火傷の痕は煙草を連想させるし、細かな切り傷は小さな刃物、恐らくカッターか何かだろう。
軽く唇を寄せたり、時には舌を這わせて、一つ一つ塗り重ねていく。
「……あ…ぅんっ……舌、くすぐったい、です…っ…」
「もうちょっと、我慢して」
擽ったいと溢しながらも、身体は快楽と受け取ったらしい。
身を捩り、跳ね上がる度に下肢の熱量が僕の身体へと触れる。
口付ける場所が下へ下へと移れば移るほど、その熱は期待に膨れ上がっていく。
「ふふ、可愛い」
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