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第25話

*  あの翌日は目覚めたら恵兎だけが起きていた。そのことに安堵しつつ、薄っすらと蘇った記憶のせいで恵兎を真っすぐに見られなかった。  講義の前に着替えるからと早々に恵兎の家から逃げ出したから、床で雑魚寝していたシオさんと顔を合わせるのはそれ以来だ。 「自分だけイって落ちるとか男として最低だぞ」 「……ごめんなさい」  なんであんなことになったんだとか、宅飲みで乱交とか聞くけど普通それは女の子がいるときなんじゃ……とか、色々な気持ちが入り混じる。けれど責められれば謝るしか出来ない。  実際気持ちよくなってひとりで先に眠ったのは本当のことだ。 「ま、あの時は恵兎に抜いて貰ったんだけど……絢太だって礼くらい出来るよな?」 「……はい」

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