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第5話

「じゃ、まだ童貞だ」 「は、い……」 「リョウ、筆卸の相手覚えてる?」 「最初はさすがに覚えてんだろ」  二人は俺を挟みながら初めてのセックスの記憶を語り合う。聞こえてくる単語にどぎまぎしながらもつい聞き耳を立てた。AVくらい見たことはあるけど、実際聞く話は生生しい。  セックスに対する期待感に失敗への不安が入り混じる。大学生の間に彼女を作って、セックスも経験するのだろうと漠然と考えているが、今のところ彼女が出来そうな気配はない。 「絢太は彼女出来たらどうすんの? セックスの手順、分かってる?」 「へ……えっと……キスして、服を脱がせて、撫でたり……舐めたり? で、ゴムつけて……」

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