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第4話
恵兎が足りなくなったつまみやビールを買いに出てから、俺を挟むようにして二人は座った。二人掛けのソファーに強引に三人座っているせいで、密着度が高い。
「それよりさ、絢太 くん彼女いるんだっけ?」
「や……いません」
「そうなんだ。こっち来る時に別れたの?」
「ちが、くて……今まで彼女いたことないから」
「そうなんだ」
話しながら頬や耳たぶをすりすりと撫でるシオさんの手が気持ちいい。どうにかこうにか開けている目がまた閉じそうになる。
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