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第8話

 あ、これ……  キスされてる。  いつの間にか指は外れ、導き出された舌がたらりと唇の外にまで垂れた。その舌をシオさんの舌がやさしく舐める。  唾液が垂れそうになると音を立てて啜られ、なんでキスされてんだろって思うのに、気持ち良くてされるがままになってしまう。 「キスはたっぷり、な……身体に力が入らなくなるくらいまで可愛がって……その間に服を寛げてあげる。シャツのボタンとか……ズボンの前を開けたりとか……」  舌だけでなく唇を食まれたり、吸われたりしている間、シオさんの手が動いている。けれど何がどうなっているのかは見えない。キスに応えるのに精いっぱいで、他のことなんか考えられなかった。

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