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喫茶 菊花処

 さほど人通りも多くない通りに面したビルの1階に、菊花処と看板を掲げた喫茶店があった。  アンティーク調の内装はよく手入れされていて、所々に和風小物が飾られていた。流行りを追う様子はなく、贔屓の客を相手に淡々と同じ時間が流れているような、そんな空間だった。  その店に、初老の紳士が一人訪れた。彼は席には着かずに店の奥に進むと、店員に直接こう言った。 「今食べられるものはあるかな」  店員はしばらくお待ちくださいと言って厨房に入り、ややあって出てくると、メニュー表らしきものを開いて客に見せた。客がメニューの中の一点に指をさすと、店員はかしこまりましたと言って、さらに奥に進むように促した。  男性客は客用トイレのドアも行き過ぎて、従業員口を通り、エレベーターに乗った。  そのエレベーターが目的階で開くと、黒い服を着た男が待っていた。男性客は財布から紙幣を数枚出して男に手渡した。 「では3番のお部屋にどうぞ」  そう言われて、男性客は笑いながら世間話の調子で言った。 「私ももっと若くて元気なら、上の子を連れて帰るんだけどね」 「またご冗談を」  冗談だとも、と客は笑って、素っ気ない廊下を進み、3の数字が打たれた扉を開けた。  部屋の中はいくらか暑く、そしてその中央には、裸の少年が台の上に拘束されていた。  少年は両腕を頭の上で拘束され、胴にも太いベルトが渡され、そして両脚は哀れにも大きく開かれた状態で固定されて、若いペニスも菊門も、あまりにも無防備な状態だった。  その少年の菊門はたっぷりと濡らされ、少しばかり口を開けて震えていた。  男性客はおもむろにズボンの前を開き、自身のペニスを取り出して幾度かしごき、壁際の棚からコンドームを取ってそれにかぶせた。  男が近付くと少年は首を振り、怯えた顔をして身じろぎしようとしたが、拘束された身体は動かず、菊門がひくひくと動いてかえって男の目を楽しませた。 「や、やめてください……お願い……」  少年の怯えた声を心地よく聞いて、男は濡れた菊門に男性器をあてがう。びくりと震えて、いや、と呟いた少年の表情を眺めながら、男はずぶずぶと少年を犯してしまった。 「あっ……ああっやぁ……!」  少年は泣くような声を上げ、何の慈悲もなく犯されたことに涙を浮かべた。  その無垢な反応を楽しんで、男は腰を打ち付け始める。ぱちゅんぱちゅんと濡れた音が響き、そしてそれ以上に少年の悲鳴が部屋を満たした。 「いやっ……いやああっやめてっ……あっあっ! おねがいやめてぇ……っ!」  少年は訴えながら涙をこぼしたが、それが肉体の苦痛によるものではないことは明らかだった。少年のペニスは膨らみ、硬くなって、男に突かれる度に揺れていた。また、少年の足の指も、快感に苛まれる娼婦のようにきゅうと曲がって、その性感を表していた。 「あっあっあっ……やだ、やだぁああっ……やめてえ、やめてえぇっ……やぁんっ……!」  少年の声も、言葉では未だ抵抗しながら、その声音は甘く濡れていた。  いや、だめ、と繰り返す少年の尻を男は思うさま犯し続け、やがて少年はひときわ切ない悲鳴を上げて、触れられてすらいないペニスから射精した。それでも男は変わらず責め続け、少年は突かれる度に白い精液を赤く張り詰めた先端からぴゅっ、ぴゅっと吐き出して自身の胸や腹を汚した。 「やっ……いやあぁぁ……もういやっ……やめてぇ……!」  泣いて震える少年の中で、男もようやく射精に至り、大きく息をつくと、少年の菊門からペニスを抜いて後始末をし、すすり泣く少年を置いて部屋を出ていった。  犯され、辱められた少年の背後の扉が開いて、二人の男が部屋に入ってきた。一人は少年の拘束を解き始め、一人は泣き濡れた少年の顔を覗き込んで、言った。 「知らない男に尻を犯されてもイケるようになったじゃないか。よかったな、気持ちよくしてもらえて」  少年はぐすぐすと泣き止まず、男の言葉にも答えなかった。 「犯されてイッちまったのがショックだったか? 大丈夫だ、今日はゆっくり休め。明日からまた気持ちいいことを仕込んでやる」  拘束を解かれても、少年は自力で台を降りることもせずぐったりとしたままで、まだ膨らんだままのペニスだけが、快感の名残のせいかぴくぴくと揺れていた。

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