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 ヤルことヤッたしさっさとシャワー浴びて寝よう。  単純思考のまま、ぐっとショーゴの足を左右に開いてベッドに投げ出す。ぼすん、と音を立てるベッド。  ずる、ずる、と萎えた一物を引き抜くと、未だに感覚が過敏になっているらしいショーゴが小さく喘いで震える。  強引にこじ開けたショーゴの肉穴は、ぽっかりと開いて透明の糸を引いた。  無理やり突っ込んだにしては結構開くもんだなあ、と眺めていると、少しして奥に出した俺の精液がどろりと溢れて垂れる。おお汚ぇ。 「はぁ……だっる」  服を脱ぐのが面倒で、足に引っかかっていたジーンズと下着を足を振ってそのへんに落とした。  シャツはボタンをはずすのが面倒だから、引きちぎって投げる。森羅万象、消耗されるものなのだ。  さあシャワーシャワー。  汗かいたらシャワーしねえと俺眠れねえの。まー寝付き悪いから寝れるとも言えねーけど。厄介な体ですこって。  ぺたぺたと部屋のドアに向かって歩くと、死体みたいに横たわっていたショーゴがぐすんぐすんと泣きながら、シーツにくるまってまるくなっているのが視界に入った。  お、寝んのかね。  そんなちっちゃくなっちゃって、泣いてるぐらいで笑ったりしねぇよ。たぶん。 「ショーゴ、泊まってくの? んじゃー窓側は俺だからドア側で寝てね。まあショーゴは知ってるか、俺ルール」  俺のセフレは俺ンちによく泊まるから、みんな知ってる俺ルール。  その一人であるショーゴにも一応伝えると、ショーゴは肩を震わせながらもコクンと頷いた。よし。  口笛を吹きながら、部屋を後にする。  明日の朝飯作ってもらおう。あいつ料理もできるんだ。  バタン。ドアが閉まる。  今日も素敵なクズライフを送った。  世界崩壊の日まで、俺はこうして大いなる暇を踏み潰すのだ。 「ぁぁ……信じてくれ……咲……本当に、俺はお前を愛しているんだ……」  ──最低を自覚する彼は、自分への愛を絶対に、信用しない。  クズが愛されることはないと言う。  一切合切、否定する。まるで無神論者が神を否定するように、当然の帰結としてそう結論を出す。  幻を見ているかのような目をして、オカルト話を笑う現実主義者と同じ語気で。  それは演技なのか、思い込みなのか、ポリシーなのか、生まれつきなのか。彼以外には彼のことなどなにもわからない。  自分たちは、報われない愛を持ったまま、それを捨てられない愚か者だ。  酷い人。わかっている。  それなのにどうしようもなく、愛している。  気まぐれに救い上げられた心は、その手に渡すことしかできない。  愛しいクズ。  自分を救えないクズ。 「受け取って……俺たちの愛を……咲野」  燃え尽きる日を笑ってゴミ箱の底で待つクズに恋をした人間たちは、それでも焼けた手を伸ばしてしまうのだ。  ──これは、人の心が理解らないクズが心を手造るまでの話。  無価値でつまらない話の一節。  第一話 了

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