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13(side翔瑚)※

「ン、は…ぁっ……完勃ちした……?」 「……っ、く、流石にな……ん……」  硬さと質量を増した肉茎にキスをして得意げにニマ〜と笑いこちらを見る蛇月に、俺は額に手を当てもう何度目かのため息を吐いた。  ただでさえ俺よりずっと性技が巧みなのに、舌にピアスを着けているらしい。  それを窪みに押し当て口淫するものだから否が応でも気持ちいい。  武器を増やすのはズルいと思うんだ。  知る限りずいぶん前から咲のセフレをしている蛇月にとって、男の性器を昂らせる程度、朝メシ前なのだろう。  俺は何度やってもうまくできなくて、下手くそでトロいと咲によく笑われる。 「ぁ……咲、やっと……っ」  低く深く響く触りのいい艶のある声で耳朶を捕らえ、湧き上がる渇望を堪えるように眉根を寄せる蛇月。  暴力的で甘く美しく、自由な男だ。  俺とは全くタイプが違う。  咲の相手は統一感がない。頑丈な男なら、たぶんなんでもいいのだろう。  蛇月は俺のものを舐めながら後ろを解していた指をチュプ、と引き抜き、長い待てをようやく解禁された犬のようにハッハッと呼吸を荒らげて、俺の腰の上に跨った。 「もう我慢できねェ……っ」 「ンッ……」 「咲オレ……っオレ自分で拡げてコレしゃぶったからっ……ご褒美っ……ちゃんと自分で挿れて、擦ってイクぜ……さきぃ……っオレがイクとこ見ててぇ……っ」 「ぐ…ぅ……ったつき、これ、まだキツイ……っ」 「ァ、イイから、咲はそんなの……ッぁゔ、気にしネ……ッぁ、ァア……ッ」  蛇月が狙いすまして腰を落とすと、先端に秘所が触れる。グプッ、と押し拡げながら一部が濡れた肉に呑み込まれ息を詰めた。  狭い。襞の抵抗が強い。  挿れる瞬間は痛いくらいなのに、潜ってしまえば、凄く、拡がる。  柔らかい。でも窮屈でギチギチだ。  ローションも拡張も足りていない。  こんなにキツイのに、蛇月は止まることなく腰を下ろして体重をかけ、ズルルル……ッと俺の肉棒を突き刺していく。  俺は男としてどうかと思うがあまり挿れる側になったことがないので、勝手がわからず眉間にシワを寄せて奥歯を噛む。 「あ…ァ、ア、あ…ぁ……っ」  蛇月の中は、熱くて、ぬめっていて、襞の全部でぴったり包み込んで、艶めかしく絡みついてきた。  本来受け入れる器官ではない男の腹に、生々しいモノが根元まで納まっている。  腹筋がヒクつくたびにきゅ、きゅ、と肉棒を締めつけては奥へ誘い込むようにうねり、ヒクヒクと蠢動する胎内。 「はぁ……っ我慢したから気持ちぃっ……すげ、っ…っぁ、いい、咲の気持ちぃゼ……っ」 「ん、……っ、ぅ……」 「ハッ、咲ぃ……っ咲はオレの、っぁ、あ、っ……中、気持ちぃ……? ンッ……オレのカラダ、咲がシツケたから……っヒァ、ぁア…ン……っ」  蛇月は乱れながらも呼吸を合わせて、巧みに奉仕する。  気を抜くと持っていかれそうだ。……あとちょっと悔しい。これと比べると確かに俺は下手くそだな。  正しい使い方で男として快感を与えられると、当然気持ちがよかった。  ギッギッとベッドを軋ませて蛇月が上下に弾むが、潤滑油がないのでスムーズに抽挿できず、捩じ込むようにア‪✕‬ルを擦る。  そこをそう乱暴に抜き差しすると痛いはずだが、蛇月は薄く目を閉じて、咲の動きをなぞって快楽に浸っていた。  痛くて、苦しくて、それがイイ。 「じょーずに、する、から、ぅ、あ……っ」 「ふ……っ、ん……ぁ……」 「あ、あぁ……褒めて、咲ィ……っ」  食いちぎられそうな締めつけで腰が溶けそうになり、ブルッ……と震える。  男として正しく気持ちいい。  いつも俺を犯す咲も、こうして擦れると気持ちがよかったのだろうか。  咲は俺を抱いている時、俺の体でこんなふうに感じていたのだろうか。

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