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15(side蛇月)
──水曜日。
「ってことで、流石に二日も仕事以外はずっと抱いてたから、これ以上ち✕こ勃たねぇっぽい」
「ンふ……そっかァ……」
俺──音待蛇月は、ちゅぽ、と咥えていた咲のモノを名残惜しく思いながら離し、しぶしぶと下着の中へしまった。
朝から夕方まで新曲の調整と練習を行ってから飛ぶように帰宅し、ベッドで待っていてくれた愛しの咲に引っ飛ぶ勢いで抱き着いてコトに及んだ後。
途中からオモチャを使って頭がおかしくなるくらいイかせられまくったこと自体は、満足だった。
今になっては慣れ親しんだ腕だって腹の中でいっぱいにしゃぶらせてもらったし、むしろ爆アゲだ。
まさかフィストファックにハマるとは思わなかったケド。
ケツが緩くてよかったゼ。いや緩くねェ。鍛えてるし。ドヤ。
腕を挿れられて普段擦られるその先の入り口を、指先でチュクチュクとなでられるアソビ。
絶対に自分では届かない箇所がくすぐったくて、甘く疼いて、防水シーツを敷いていたとはいえ、ベッドでゆばりを迸らせた小一時間前の記憶。
要するに快感が強すぎて絶頂の弛緩と共に失禁したのだ。
俺はドのつく変態だろう。
おそらく咲の恋人の中で、一番の変態だ。自覚あり。
普通ではない、特に体が裂けそうなほど無茶で破滅を彷彿とさせるセックスを提案され、それに応えることが悦楽の極みみたいな終わった男である。
思い出し自慢。
記憶で勃起しそうだぜ。咲に性癖終わらせられた人工ビッチな。
閑話休題。
話を戻すと、とにかく俺は長く労働に励んだ体が十二分に満足できる内容の濃厚セックスで満たされた。
ならなぜ名残惜しく終わったあとの咲のモノを舐めていたのかと言うと、やっぱりどれほど異常なセックスやオモチャで満足させられても、生の咲に犯されんのが一番キくってことだ。
だからなぜ一回しか挿れてくれなかったのかを尋ねた結果、二日間の無茶を告白されたわけ。
話を聞くと、多少不服だが我慢はできる。咲は悪くネェ。
むしろそんだけ使い込んだのにすっかり外が真っ暗になるまで俺を感じさせてくれたんだから、バケモノ級の体力だ。筋力も体力も、効率的な使い方を熟知しているのだろう。
わかっているのに俺が唇を尖らせて下着の上から咲のモノを恨めしくなでている理由は、相手二人への不満だった。
野山センパイと忠谷池シャチョー。
野山とは顔を合わせるが最後取っ組み合いの喧嘩に発展するくらい気に食わないけど、別に嫌いじゃない。
ただあの狂暴ネコのことだ。
愛し方探し中の今の咲ならたいていのオネダリを断らないと理解した上で、散々に求めたに決まってる。
野山を混ぜてセックスしたことねーから真偽は知らね。
勝手な想像。でもそうだ。だって見るからに性欲が強そうな顔してる。
忠谷池サンだって見るからに性欲が強そうな顔してるしな。
てか怖い。大人怖い。
バカなお子様じゃあどう逆立ちしたって頭のいい大人に勝てねー。
喧嘩なら勝てんのかな? 野山だったらチョー頑張って勝てンだけど。
でも、理由ないのに喧嘩売ったら咲に叱られそう。やっぱムリめ。
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