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1.悪だくみにはご注意!⑤
「これ懐かしいって言ってたけど、飲む?」
「え? い、いいの~?」
絶対に飲みたくないけど、嘘をついちゃった手前飲まないと言わないわけにもいかなかった。
手持ちに飲み物があればこれ飲んじゃってお腹いっぱいだからって断れたけど、手ぶらだから使えない。
なんで飲む? って聞いてくるんだよ。自分で飲めよ。もういらないの? それ
「ん」
顔の前に差し出され、「わ~、ありがと~」と一ミクロも思ってないことを口に出しながら飲んだ。
まっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっず!?
なんでこれそんな普通の顔で飲めるの? やっぱり味覚ぶっ壊れてるだろ。
「どう? 復刻したやつ」
「な、懐かしい~! この感じ!」
味のコメントは避けた。無理だってこんなの。一口飲んだだけで口の中が最悪な環境になってしまった。
ありがとうって言って返そうと横を見た時。
――ちゅっ、ぺろ
オレの唇に何か柔らかいものが触れたと思ったら、舐められた。
は?
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