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1.悪だくみにはご注意!⑥
困惑していると、持っていたパックのジュースが抜き取られる。
「嘘、まずいと思ってるだろ」
悪戯な顔で笑いながら言われ、混乱したままのオレは「え?」としか返せなかった。
「こんなまずいもの、小さいときから飲んでるわけないだろ。罰ゲームで飲んでるだけ」
な
「それにこれ、最近発売されたやつだから。小さいときからあるわけないだろ」
な、な
「あとお前、昨日の占い師だろ。顔見えなくても声で分かるから」
な、な、な
「何企んでるか知らないけど、やるならもっとうまくやれよ。じゃあな、伊織」
手をひらひら~と振ってアイツは行った。
残されたオレはようやく思考が回り始める。
今、何された?
キスされて? それでもって唇舐められて? パックのジュースまずいと思いながら飲んでて、声かけてきたオレが言ってること嘘だってわかりながら話につきあって? それでもってオレのことわかってて?
はぁ!??!?!!?!? と叫びだしたかったが上機嫌で友達が帰ってきてしまい、叫ぶに叫べなくなってしまった。
「なんかあった? 顔赤いけど」
「怒ってんの!!!」
「え? ごめん」
お前じゃない!!
クソ! こっちがやるつもりだったのに、やる前にやり返されるってどういうことだよ!! 覚えてろよ! 諸星凛!
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