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第2話
「う、ぇぐ。うっ、うっ、……ひゃぁあ!」
泣いていたところ、頬に突然冷たい感触を覚え、詩音は飛び上がった。
気が付くと、かき氷のカップが当てられている。
「泣き止んだか」
「あ、霧矢くん」
「ついて来いよ。氷、食うぞ」
「やだ」
「何でだよ」
「歩きたくない。ここで、食べたい」
しょうがねぇな、と霧矢は地面に腰を下ろした。
大勢の人々が行き交う広場の真ん中で、二人はかき氷を食べ始めた。
「あぁ、冷たい。おいしい」
「イチゴで、よかったか」
「後で、半分そっちのレモンと交換して」
「おう」
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