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エレベーターから出てきた俺達を見つけると目玉が飛び出そうなほど目を見開いて駆け寄ってくる白衣の男
「わ〜発情期の捨て猫ちゃんですか?」
「後で説明する、とりあえず診てくれ」
呑気に感想を述べる組専属医者の早野を押し退け寝室まで行きベッドに寝かせる
早野は狼狽える白林をよそに手際よく冷えピタを貼りながら聴診器で心臓の音を聞いたりタオルで汗を拭いたりしている
「まぁ診るって言ってもこうなってるんで発情で間違いなでしょう。Ω絡みだと思わなかったので抑制剤は置いてきちゃいました。僕には何もできません。」
「そうか」
早野は愛でるようにくたっと横たわっている高校生の髪を撫でた
「黒川さん凄いですね、βの僕でもあてられそうなのによく我慢出来てます。忍耐力が異常ですよ。では明日の正午頃にまた来ます!その子、意識が朦朧としてるので同意にはなりませんよ!避妊はするように!それでは!」
「あっ、廉!頑張れよ!」
「え、おい」
早野は早口で言うと使っていた診察器をテキパキ片付け白林を引っ張って慌ただしく出ていった。
ご丁寧に避妊具を2箱置いて。何回ヤると思ってんだ、と思ったが本気で使い切りそうなのが笑えない。
寝室には辛そうな高校生と俺の二人きり
全身真っ赤にしてウンウンと唸り寝返りを何度もうっているのを見るだけで愚息が暴走しそうになり慌てて目を背けた。ブレザーはベッドの傍に落ちて今身にまとってるのは制服のシャツとズボンだけ。ベルトもブレザーと同様放り投げられている。肌は殆ど出てないのに蒸気した顔だけで目に毒どころか全身に毒だ。
とりあえず起きるまで様子見。生憎、睡姦の趣味はないが
本能は今すぐ目の前の番を孕ませたいと叫んでいる。
部屋中に充満する甘い香りにゾワゾワと腰が震える。
鉄壁の理性で必死に耐えて寝室を出た。何なんだあの匂い。
キッチンで水を飲み深呼吸をしていると寝室からドスンと鈍い音が聞こえ慌てて駆け出した
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