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3 side黒川 廉

やっと、やっと見つけた、俺の『運命の番』 その細い項をひと舐めし、歯を立て、力を込める。 濃く刻まれる俺の印。感動で思わず抱く腕に力が入る。 口に広がる血の味が不快な筈なのに、何故かそれが甘く感じて頭がクラクラする。全身の血が沸騰したように沸き立つ感覚を覚えた。 「っあ゛っぁぁぁぁぁぁぁあ゛」 絶叫したと思うと突然電源が切れたようにガクンと下がる頭。 「っおい!」 まさか...嫌過ぎて....ショック死したか?と一瞬最悪のケースが頭を掠めるが指先が小さく震えており少し安心する そうだ...ショック死なんかする訳ない。こいつは絶対に俺の番だ。 「廉!連れてくぞ!」 「、ああ」 傍で一連の流れを見ていた俺の右腕、白林 優斗が俺の頭をペシンと叩き現実の世界に引き戻してくれる。 ぐったりと人形のように動かなくなった高校生を横抱きして車まで走る 「家まで」 「はい」 何かを察した有能な運転手。トップスピードで車が走り出す 膝の上に抱いている顔を見ると頬はかなり赤く体温も高い ふぅふぅと苦しそうに息をしている。 それを見ると一気に頭が冷えた。なんて事をしてしまったんだろう。 「早野呼んどくね」 「頼んだ」 早く、早く、と心の中で急かしても中々着かない。 「....ん、」 「気が付いたか?」 呻き声が聞こえ優斗から視線を戻すと、そいつがうっすら目を開ける 途端、股間にダイレクトに響くフェロモンがぶわっと辺りに広がる。収まっていたはずの熱が再び身体中を渦巻く。良い匂いだ。なんとも言い難いが全力で番った俺を誘う匂い。 「.......ッハ、」 「あつ、い......」 「すぐ着くから...」 呼吸が荒くなり今すぐ身ぐるみ剥がしてコイツを喰い尽くしたい衝動に襲われる。ドクンドクンと痛いくらいに張り詰める愚息を何とか鎮めようと深呼吸を繰り返した。 「廉、この子とお前、番ってないのか?凄い香りだぞ」 「は?」 白林はそう言いながら車窓を開ける。その様子はいつもと変わらず飄々としているがなぜ急に?眉間に皺を寄せる。 こいつのフェロモンにあてられてるのか? いや、有り得ない。番ったから俺にしか影響はない筈だ。 なのに優斗は顔を顰めて腕を組んでいる。 「....強力だな.....今隣にいるのが俺以外の‪α‬だったら大変な事になってるぞ、廉。」 「っはは、有り得ない。とんでもねぇ奴を見つけちまったな」 そうしている間に俺の住むアパートの駐車場に着く。 白林と俺は急いで高校生を連れ帰った。

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