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「ふぅ〜〜あついあつい」
お風呂は黒川さんにバトンタッチしてリビングに戻ってきた俺。ちなみにふわふわのバスローブを着ている。下は何も着ていないから何かゾワゾワして変な感じ。
ソファに座ってテレビを付ける。土曜日だけど特に興味を惹かれるものがなくてすぐに消した。
ソファーは当たり前にふかふかで少し跳ねてみるとスプリングが良い感じだ。
「本当すげぇ〜」
ここに来てからそれしか言えない。
シャンデリアまではいかないけどそんな感じの照明は淡いオレンジ色で、すっかり暗くなった窓の外から見える夜景がとても綺麗だ。黒川さん戻ってこないかな〜早く一緒に夜景を見たいな、なんて乙女思考に陥った俺は風呂上がりで火照る体を冷まそうと思い窓に近寄る。
そしてクレセントに指をかけるが、上手く力が入らず数回カリカリと指先で掻くようになるだけで首を傾げる。
「…?あれ?」
そうしている間にも体の火照りは治まらず額にじんわり汗が滲む。もう一回、と鍵に手を伸ばしたところでぐにゃりと視界が歪み足元の床にぽっかり穴が空いたような浮遊感に体が包まれ崩れ落ちる。
「…っえ、……?」
低くなる視界と痛む体。べたんと床に這いつくばってやっと自分が倒れたのだと理解する。何か分からないけどとりあえずベッドに移動しないと迷惑かける。そう思い、ずり、とほふく前進を始める。
瞬間、びりびりと快感が背筋を駆け巡り腰が跳ねる。
うつ伏せになっているせいで乳首とバスローブが強く擦れ自慰をしているみたいで、思わず動きを止めた。
どうしよう、どうしよう、そう考えているうちにも頭に霧が掛かったようにぼんやりし始める。
「…華?」
浴室の方から黒川さんが俺を呼ぶ声が聞こえる。
顔を上げてそっちを見るけど、床に這いつくばっている俺の視界はソファの脚やふわふわのカーペットしか見えない。足音と強く甘い香りがどんどん近付いてきて俺の前で止まる。小さく息を飲む黒川さん。それからの行動は速かった。
「くろかわさ…」
「お前、クソっ」
「っあ、!」
一瞬どこかへ行って、すぐに戻ってきた黒川さんは軽々俺を持ち上げ寝室へ大股で歩いて行く。半ば蹴破るように扉を開けるとそこにあるのは当たり前にどデカいベッド。ぼふんとそこに放り投げられスプリングで俺の体が少し跳ねる。すぐに覆いかぶさってきた黒川さんはバスローブの袖で鼻から口元を押さえている。
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