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7 side 金条 華

「…んん…」 息苦しさを感じて目を開けると視界一面に広がるバスローブ。頭の上からは寝息が聞こえる。 「…んん??」 もぞもぞとシーツの上を後ろに下がり顔を上げると黒川さんの寝顔のどアップが視界を占める。相変わらず綺麗な顔面に少し見蕩れて慌てて視線を逸らした。 「…?…え…?!??!」 いつ寝たんだ俺?しかも自分の体を見て絶句する。 俺は何も着ていなかった。唯一昨日着ていたバスローブは俺の下敷きになっているしなんか湿って… そこで意識が一気に覚醒する。 ベッドを揺らさないようにそろそろ床に降りて、リビングの方へ向かう。敷かれたカーペットがふわふわなのに気を取られて自分が素っ裸なんて事は頭からすっ飛んでいた。 「…マジか…処女喪失…?え?でもケツ痛くないし…あ…濡れるから?え?…うーん…考えるの止めよう…。」 冷蔵庫を見つけて開けると、中にはペットボトルの水があって勝手に悪いと思うが喉がカラカラだったので遠慮なく頂く。一口飲むと少し気持ちが落ち着いた気がした。 少し頭を整理してみる。今の俺の状況。起きたら裸、隣には番。腰は痛くない。 でも黒川さんのフェロモンが俺の体にすごく纏わりついている。倦怠感、なし。あとなんか妙に頭がスッキリしてる。 「…うーん?番だし…つ、付き合ってるし…セックスしてても…大丈夫だよな…?何も覚えてないけど…に、妊娠、はしてないよな…?いやわかんねぇ…」 一人で考えても答えが出るはずはない。時計の針はまだ早朝5時を指している。戻ってもう一眠りするか、と後ろを振り向いた瞬間ドスッと何かに全身を包まれよろめく。 「う、っわ」 「探した」 「す、すみません」 まぁ俺を凄い勢いで抱き締めたのは言わずもがな黒川さんで、腕の中で首だけ振り返ると真っ赤な目と視線が交わる。 「あれ?目赤くないですか?どうしたんですか」 「テメェのせいだよ…どうせ覚えてないんだろ?」 「…あ…やっぱヤっちゃいました…?」 「ハァーーーーーーーーーーーー」 思ったことをそのまま言うと黒川さんは呆れた顔でクソデカ溜息をつきながら俺の手を引き寝室へ戻った。

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