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「ごめんな」 「いや、久しぶりなんですよね。仕方ないですよ。」 理央の姿が見えなくなってから頭をぽんぽん撫でられるけどそんな事で俺の機嫌は直らない。やっと二人きりになれた…と言っても数分だからちゃんと黒川さんの顔見とかないと勿体ない(?)のに素直になれない自分に嫌気がさす。 「理央は弟だから何も気にすんなよ」 「…弟…ですか…歳離れてますね…」 「そんな離れてないぞ。俺21だし。まぁ3つか。」 「…21歳なんだ黒川さん…思ったより若い…」 思ったより若い年齢に驚き顔を上げると黒川さんは俺を見ておらず近くのクラゲの水槽を眺めていた。 そこでなんとなく感じた違和感。黒川さんは弟だって言ったけど、理央は黒川さんの弟じゃない、のかな。出会って数ヶ月じゃ信用できないよね俺のこと。信用して欲しいって言うか、なんだろう。正直に教えて欲しかった。 理央があんなに黒川さんにベッタリで俺の目も見ずに弟だって言われても信じられないし。 弟にしては距離感おかしいし理央の俺に対しての態度が黒川さんの事が恋愛的に好きだから邪魔すんなって言ってるようなもんだろ。 だんだん頭痛がしてきて小さく息を吐き出すと館内の騒めきがだんだん小さくなっていく。 こんな事をしていると理央が戻ってくる、また文句言われる、久しぶりに会えたんだし黒川さんも俺らが言い合いしてたら面白くないよな、とグルグル考え始めると止まらない。 「…俺…あっちのクリオネ見てきます…」 「あっ、おい」 これ以上考えてたら黒川さんに八つ当たりしそう。 俺は黒川さんが止めるのを無視して少し離れたクリオネコーナーに向かって歩いた。

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