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帰れオーラ全開の黒川さんに絡む方言さん。 黒川さんがいつ怒り出すか不安で仕方ない。 「で、誰なん?ドタキャン若様にかわい子ちゃんがおるとか聞いてないんやけど。もしかして3年前のアレと関係ある?」 「教えるワケねーしそれは残念、関係ないし用が無いならさっさと帰れ」 訛った喋り声と明らかにイラついてる黒川さんの声。 それをじっと動きを止めて息を殺しながら聞く。 『ドタキャン若様』に『3年前のアレ』ってなんだろう。この人は3年前から黒川さんと知り合いなんだ。 …俺より黒川さんの事を知っている。 黒川さんが時々左右に動くあたり方言さんは中を覗こうとしてるのか俺を見ようとしてるらしい。 一瞬しか見てないけど方言さんは黒川さんとは何の関わりもなさそうな普通の人って感じだった。 暗めの茶髪と俺より少しだけ高い身長。顔は明日すれ違っても気付かなさそうな雰囲気。一体何者なんだろう。 「おい」 「ハイハイ、近くまで来たけ寄ってみて良かったわ。部下さんには知らん人 簡単に上げんように言っとき」 「本当に申し訳ございません!!!!」 「あぁ、気を付けろ。俺も誰か来る時は伝える…。」 もう一度、運転手さんが謝ったみたいだ。 ドアの鍵とチェーンを閉めて振り返った黒川さんは右手に大きめの袋を持っていた。 「…疲れた…あいつ情報屋だから会っても何も話すなよ」 「…はい」 フーっとため息をつきながらリビングへ向かう黒川さんの背中を追いかける。 情報屋、って…本当にそういう世界なんだ。 ていうかまた迷惑かけてしまった。 あとでもう一回謝ろう。

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