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控えめに頷きながら俺の様子を伺う茶髪に安心させるように笑ってみせる。 「巣、綺麗だよ、上手いな。作ってくれてありがとう、嬉しい。」 持ち合わせる語彙の中で褒め言葉と感謝の言葉を並べると、青年は嬉しそうに微笑んだ。その細い首についている黒いチョーカー。きっとうなじには俺の噛み跡がついているはず。 俺とこいつが番?有り得ない。 でも証拠は色々あるし…絶対違うと言う方が難しい状態だ。 どうしたもんかと頭を抱えたい。 ヒートを楽にするには、薬か番との行為が必要になる。まずこいつが薬を持っているのか、するにしても数年間の記憶がないほぼ他人の俺が抱いて良いのか。 まず好きじゃないのに抱けるか…は考えなくてよかった。既に股間が痛てぇ。今すぐスラックスを脱ぎたい。 「仕方ない、これは仕方がない。」 「?」 …どうせヤる事になる。と自分を納得させて、まずベルトを外す。 番の香りが充満した部屋に、アルファとオメガが二人きり。何も起こらないわけがない。 大人の俺なら何か違ったかもしれないが、今の俺、というか俺はまだ高校生。理性の糸なんて無いに等しいし、自制も何もあったもんじゃない。 「あっ、俺がするっ」 「えっ?」 ボタンを外してチャックを下ろしたその時、目にも留まらぬ速さでその下のパンツをずり下げられた。 思わず腰を浮かせると、そのまま抜き取られた下半身の衣服は全てそのまま巣の一部になる。 満足そうに微笑んだ茶髪は、その後急にキリっと眉を吊り上げ高らかに耳を疑う宣言をした。 「きょうは俺がきもちよくします!」 「は?!」 そう言い、綺麗な指先が伸びたのは俺の中心。 …いやいやいや!そんなキレーな手でどこ触ってんだよ!! うろたえる俺を気にもせず、突然上下に刺激し始めた。

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