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「っ…あ、…いやっ、何してんだよっ!」
「…お返し?」
お返し???そんなの大人の俺にしてくれよ!!!
いや、大人の俺が戻ってくるかは知らないけど…。
「…気持ちいい?」
「…うん…」
ヒートでもっと乱れるかと思っていたのに意外と冷静な茶髪は俺の反応を見ながら緩急をつけて続ける。
ベッドの上、俺のTシャツだけを着て俺の両脚の間にいる茶髪は猫みたいな体勢だから腰から尻にかけてのラインが丸見えだ。
滅茶苦茶エロい…緩いシャツの隙間から手突っ込んで脇腹とか撫で回したい…。歯型とか嫌がるだろうな…痛いの嫌いそうだし。
でも一回でいいから思いっきり柔らかそうな肌に噛み付きたい。どこからか湧いてきた独占欲が溢れそうだ。
痕、残りそう、いや、寧ろ残ればいい。
なんて考えながらサラサラの髪を撫でていると、茶髪は擦っているそれに、おもむろに顔を近付けてあろう事かパクっと咥えた。
「えっ?!???」
「ん……ぅ」
上目遣いで俺を見上げるその顔の妖艶さは半端なく、いつかクラスの誰かと見たAV女優より余裕で興奮する。
そして咥えたはいいが慣れていないのかゆっくり顔を動かし始めた。
「…ん、ー」
「ぅ、うっ…」
温かく柔らかい口内に包まれて、思わず呻き声が漏れた。
歯が当たらないように細心の注意を払いながら喉奥まで咥え込んでいるから、敏感な部分が締め付けられて秒で達しそうになる。
自分の下生え越しに見える綺麗な顔。苦しさで少し歪んでいるその表情は何とも倒錯的で一気に腰が重くなった。
「ん、」
「っ!!」
目が合って、心臓がドクリと跳ねる。
「っはぁ、待って、離して、出る、…っ…」
ありえない、こんなに早いなんて。
歳を重ねる事に早漏になったりするのか?
「んーっ、んん!」
イヤイヤと首を振る茶髪。
動きを早められて危機感が出る。
頭が真っ白になって、舐められている部分を中心に全身に快感が広がった。じゅぷじゅぷという音も絶頂への後押しにしかならない。
最終手段で肩を押しても離れない茶髪に焦りが募る。
こんな綺麗な顔してるやつの口の中に出せるわけない。
駄目だ、だしちゃいけない。なのに快感に忠実な身体は言うことを聞かない。
「ッあ、…うっ…」
「っ゛ん゛、」
グッと柔らかい髪を掴んだ痛みでえづいたその締め付けで、パチンと頭の中で快感が弾けた。
咥えられた口の中で性器がビクンビクンと震える。
快感はじわじわと身体中に広がって止まらない。
「ッく、…っ」
「んっ!」
しばらくして身体の震えが治まり余韻に揺蕩っていると、ちゅっと音をたてて口が下から離れたのに気付く。
「は?!」
ま、まさか…。
「…飲んだ?」
「…ごめんなさい…」
しゅんと小さくなって頷く茶髪に頭を抱えたくなる。
だが謝罪とは裏腹に、その表情はどこか嬉しそうだ。
なんでそんな嬉しそうなんだよ?
大人の俺、もしかしてフェラさせた事なかったとか?
そんなのもったいねぇ!!大人の俺、こんなエロい恋人がいるなんて聞いてないぞ!!
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