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まぁ…頭は打ってたんだけど。
本当に可愛すぎて死にそう。廉さんみたいにこんな可愛くてカッコいい人はモデルにもいなかった。そんな人が番なんて俺はとても恵まれている。
「まだ不安ですか?」
背中を撫でながら訊くと、俺の顎下辺りで小さく頭が上下した。
ハグしているからか、さっきよりフェロモンの香りが強くなった様な気がして頭が少しぼんやりしてくる。
「…不安だし、心配なんだよ」
「そうですか…うーん…」
頭撫でたいなぁ。
でも結構しっかりセットされた髪を触るのは申し訳ない。
グッと堪えて背中を撫でるスピードを速くした。
廉さんはいま多分摩擦熱で背中が熱いだろう。俺の手も熱い。
「蘭さんとは何も無いので、安心してくださいって言うのもなんか変だけど、あの…」
本当に何も無いのに俺がこう言うのもなんか変だよなと思い口篭る。
もうこういう時はストレートに言った方が良いのかもしれない。
「俺、廉さんが一番好きです」
そう言うと、廉さんは頬を緩めて俺のおでこにキスをする。
つられて俺も盛大にニヤけそうになり堪える。
「またこっちに戻ってこい。引越しは下のやつらにやらせるからここから出るなよ?わかったか?頼む」
「わかりました」
なんて澄まして返事をしているが内心ニコニコである。
懇願するように見つめられ激しく頷いた。
これでまた黒川さんと一緒にいられるんだ!
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