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番外編第10話

 それからしばらくしてようやくテーブルセッティングをし終えたホテルマンは出て行った。  真っ白なテーブルクロスを敷いた上に並べられたスープや肉料理。それと10センチくらいの小さいホールのクリスマスケーキ。  遠目に見ても、うまそう。  でも――まだ息子は半勃ちくらいまでしか落ち着いてないから動けない。 「大丈夫? 捺くん」  近づいてきた優斗さんが可笑しそうに笑ってて俺は口を尖らせた。 「大丈夫じゃないし。……優斗さんってたまに意地悪だよな」 「そう?」 「だって! ルームサービスくるってわかってて仕掛けてくんだもん」 「いや、間に合うかなあって思ったんだよ」  優斗さんは苦笑しながら俺と目線を合わせて俺の頬を撫でてきた。 「まだきつい?」 「……ちょっと」  できれば抜いてからゆっくり食べたいなー……なんて優斗さんの目をじーっと見つめて見た。  ふっと笑った優斗さんが俺の髪に手を滑り込ませて撫でて。 「そっか……じゃあ……夕食食べた後ゆっくりまたシようね?」 「……」 「じゃ、食べようか」 「……え、っわ!」  いまシたいのにって思ってたらいきなり抱っこされた。  文字通り抱っこだ。子供が親に抱っこされてるみたいに抱えられて、テーブルのところまで連れて行かれる。  そして抱っこしたまま優斗さんは椅子に座るから俺もそのまま優斗さんに跨っている状態。 「食べさせてあげようか?」 「……一人で食える」 「ほら、捺くん」  あーん、ってスープを口元にもってこられて仕方なく口を開いた。  オレンジ系の色をしたスープはかぼちゃので、濃厚でクリーミーでうまい。 「おいしい?」 「……ん。……あれ、ていうか優斗さんは?」  いまさらテーブルに並べられた料理見て一人分しかないことに気づいた。 「ああ、ごめんね。俺、顔出したパーティで結構食べさせられてね。本当は一緒に食べるつもりだったんだけど、さすがにコースは食べれそうになくって」 「そっか」 「でも捺くんと同じ食べた思い出は欲しいから少し食べさせてね」 「……」  なんか、優斗さんってほんっと――。  優斗さんの膝の上にいるせいでなかなか治まりそうにない息子に内心ため息つきながら優斗さんの手からスプーンを取ってスープをすくった。 「はい、あーん」  今度は優斗さんに俺が食べさせてあげる。  一瞬きょとんとした優斗さんはすぐに笑顔になって食べてくれた。  食べにくいし食べさせにくい体制だけど、そのまま料理を食べ続けた。  一通り食べ終えたらもうめちゃくちゃ満腹。  俺もパーティの最中に料理をちょっとつまんでたし、酒も結構飲んでたからいっぱいいっぱいになった。 「はー……もう無理」  お腹をさする俺に優斗さんが生クリームたっぷりのケーキを押し込んでくる。 「んー……っ」  女の子はこういうときデザートは別腹とか言うんだろうけど、俺はもうギブ寸前。  でも甘いものは嫌いじゃねーし、クリスマスケーキだから食べるけど。 「優斗さんは?」  飲みこんで俺がフォークを取ろうとしたら優斗さんは苦笑してそのままケーキにフォークをさす。  そしてまた俺の口に運ばれる。 「俺もちょっと無理かな」  苦笑しながら食べさせられる俺も無理なんだけど! 「優斗さんも少しは食ってよ」  飲みこんだらまたすぐにケーキを運んでくる優斗さんを軽くにらむ。  相変わらず苦笑したままの優斗さんだったけど、 「じゃあちょっとだけ」 って、笑顔を甘いものに変えると俺の後頭部に手を添えて引き寄せた。  触れる寸前でケーキを入れられて、一緒に優斗さんの舌も入ってくる。 「ん……っ…ン……ンン」  舌が動いてケーキを舐め取っては出て、そんでスポンジは押し込まれて――。 「……っ、ちょ…っ」  ちょっとだけっていうか生クリーム以外は俺がキスの合間合間に呑み込む感じになってる。  何度か角度を変えてキスしていってようやく全部飲みこんで、後に残るのはめちゃくちゃ甘いのだけ。 「ンン……っ」  なにもなくなった咥内でようやく舌が絡んで甘噛みされて、離れて行った。 「美味しかった」  そう優斗さんは笑うけど、俺の息はめちゃくちゃ上がってる。 「ゆ、ゆーとさんっ」 「なに?」 「結局俺が食べてるし。めちゃくちゃきつかったんだけどっ」  なんだかんだと食べさせられた感じがして口尖らせた。 「そっか、気持ちよくなかったんだね」 「え、いや、気持ちよくなかったことはないけど」  優斗さんが伏せ目がちに呟くから少し慌てる。 「気持ちよかったよ?」 「そう?」 「うん」 「じゃあ、もっと気持ちいいことする?」 「……へ、あ、す、す、するする」  さりげなく言われたから一瞬ぽかんてしてしまった。  意味を理解してバカみたいに首を振る俺をおかしそうに優斗さんが笑って、椅子に座ったときと同じように俺を抱きあげて立ち上がった。 「っわ」 「ソファ、行こうか」 「……うん」  抱っこされて連れて行かれたのは窓際のソファ。  結構でかい、奥行きが広いソファに下ろされて向き合う。  なんか面と向かって今からスるって思うと変に緊張するっていうか――。 「もう、勃ってる」 「……」  素直すぎる俺の息子はあっという間に元気になっていた。  優斗さんがスカートのすそを持ち上げたら下着つけてねーからすぐ見えるし。  なんかやっぱ女装したままって恥ずかしい。 「優斗さん……先に脱がない?」 「せっかくだからこのまましようよ。記念に、ね?」 「……んー」 「あ、ごめん。タイは外していいかな」 「うん」  アスコットタイを外して襟元がすっきりしたのか一息ついた優斗さんがちゅとキスしてきて俺のに触れてきた。  たったそれだけでビクッと身体が震えてしまう。  俺のに触れながら優斗さんはウィッグの毛先を弄って俺の目を覗き込んだ。 「捺くんの気持ち良さそうな顔が見たいな」 「……ん、ん? 気持ちいいよ?」  ゆっくりとだけど優斗さんの指が俺のを上下させるから気持ちいい。  優斗さんの首に手を回して言ったら、優斗さんがじっと見つめてきて微笑んだ。 「お願いがあるんだけど……聞いてくれる?」 「うん、……いーよ」  優斗さんがお願いなんていままでねーし、優斗さんのお願いだから素直に頷いた。  嬉しそうに笑う優斗さんがぎゅっと俺の息子の先端を軽く握って、それに身体が跳ねる俺に囁いた。 「捺くんがシてるところが見たいんだけど」  ――はい?

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