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第45話(マイク)
ブライアンとワインを1本開けたぐらいから正直記憶が無い。
温かい胸に顔を埋めて気持ちよく眠っている。
誰の胸を借りているのかさえわからない。
「エージェント•ワイルド、久しぶりだな!」
あれ?何か話し声がする。ブライアンがスティーブと話してる??
「ああ、マイクは無事だ。俺の腕の中だからな」
誰の腕の中だって?!?!
勢いよく飛び上がると、そのまま盛大に後ろに転倒しそうになった所をブライアンの逞しい腕が支えた。
「おい、大丈夫か?」
「だだ大丈夫」
最悪だ。ブライアンには警戒していたのに、いつの間にか彼の腕の中に収まっていた。
酒の失敗は散々経験して来たのに!
恐る恐るブライアンから離れる。
「まだ何もして無いから、そんなに警戒するなよ」
まだ?!まだって何だよ!!
「いや、警戒するだろ」
「真面目な話、ワイルドから俺に乗り換えねぇ?」
「断る」
「俺は本気だ」
「まだ会って数時間の男に何言ってんだよ!」
スティーブといい、ブライアンといい、何で俺みたいな平凡な男を口説いてくるんだ?!
「本当は数時間じゃない。お前とは前にも会ってる」
「え?いつ?どこで?」
「お前が思い出すまでは教えない」
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