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第44話(スティーブ)

スミス長官に通信が繋がらない。 次に何か知っているとすればエージェント•ハワードだ。 ワイルドは足早にハワードのオフィスに向かう。 ノックもせず、ハワードの支部長補佐官室のドアを勢いよく開けた。 「エージェント•ハワード!マイクとエージェント•フォスターが一緒に居るようなんですが、誰の差し金ですか?」 「フォスターは2年前にWIAを辞めて民間の傭兵をやっている。 私も詳しくは知らされて無いがフォスターは今回スミス長官が直々に雇ったようだ」    「なぜマイクと一緒に?」 「もしかしたら、この事件と関係しているかもしれないな」 ハワードはノートパソコンをワイルドの方へと回転させた。 「今朝、君の恋人マイケル•バーンズ氏のファミリーケア担当が護衛の任務に就いた。 レベル3のエージェントだ。 だが数時間後に、近くのモーテルで遺体で見つかった。 そして午後には花屋を、ハリスコ・ヌエバ・ヘネラシオンのヒル兄弟が襲撃した」 「襲撃?!マイクは無事なんですか?!僕は何も聞かされていない」 「ああ、無事だ。2カ月程前から彼には査定の為に私がエージェント•モスを付けていた。たまたまだが、ヒル兄弟の襲撃から彼を守ってくれた」 「それも聞いていません」 「査定の件も言っていなかったからな。だがフォスターに関しては私はノータッチだ。スミス長官かフォスター本人に確認してくれ」 「分かりました。でも今後はマイクに何かあったら真っ先に知らせて下さい」   スティーブはハワードの部屋を出た。 WIAという組織に入って6年。自分も知らない事だらけの秘密が多い組織だ。 裏で色々と動いてみたが機密情報レベルにブロックされて組織の全体像が掴み難い。

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