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第66話(マイク)

その電話が通信機に入ったのは金曜日の朝。 ピピピ  通信機に着信だ。 「スティーブ?」 マイクはスティーブのベッドの上で、寝ぼけ眼を擦る。 「おっはー!マイク!残念!エージェント•ワイルドじゃなくてガルシアよ!」 「おはようガルシア」 「まずは報告!あなたのお店の修復工事が完了したわ。もう明日にでも営業再開出来るわよ」 「ありがとう!助かるよ」 「それから、WIAニューヨーク支部長のエージェント•ターナーと国内のハリスコ・ヌエバ・ヘネラシオンの残党は捕らえたから一先ず帰宅しても大丈夫よ」  「そうなんだ。スティーブは、もう戻れるの?」 「エージェント•ワイルドは今、メキシコから帰還中。もう国内に入ってジョージア州の上空を飛行中よ! 数時間でニューヨークへ戻るわ。 でも今日はそのままニューヨーク支部へ直行して報告業務じゃないかしら」 「そうだよね。連絡くれてありがとう!」 「どういたしまして!じゃあまたね!」 数日を過ごしたスティーブの部屋を出る事になった。  「思ったよりも早かったな」 店の修復工事が終わった事は素直に嬉しい。 でも、会えない時間に、彼のベッドで彼の香りに包まれて生活するのも悪くは無かった。 「さて、帰りますか」 少し感じた寂しさを振り切るように、ベッドを降りて荷造りを始めた。

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