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09 親友(2) ~アオイ~

オレは、得意気にリュウジに言った。 「そうだ! すごい気持ちいいやり方、知っているか?」 リュウジは、きょとんとした顔でオレを見る。 そして、聞き返してきた。 「やり方? なんの?」 「オナニーだよ!」 オレはズバリ答えた。 浴室の床に座り、後ろに手を付く。 さり気なく、リュウジの股間を見た。 さっきからずっと気になって仕方ない。 凄く大きくて、先端の方は赤みがさしていて、何かの果実のよう。 美味しそう。 見ているだけで興奮してくる。 胸がドキドキする。 オレは、脚を広げて腰を浮かした。 いつもやっている体勢。 リュウジは、驚いた表情でオレを見る。 ふふふ。 きっと、この気持ちいいやり方はリュウジは知らないはず。 オレは、指をぴちゃぴちゃとしゃぶって唾液で湿らす。 そして、ゆっくりとアナルに差し込んだ。 中を触診して気持ちの良いところを探す。 うん、ここ。 オレは、その触っただけで下半身がビクビク反応してしまうところを、丁寧に擦り始める。 声が自然と出る。 「はぁ、はぁ……あっ、気持ちいいっ……はぁ、はぁ」 「ちょ、ちょっと、アオイ何をやっているんだよ」 リュウジの焦った声。 やっぱり知らないんだ。 男はアナルも気持ちいいって事を。 リュウジも知らない事を自分は知っている。 そう思うと嬉しくてゾクゾクする。 オレのペニスは、アナルからの刺激に連動してむくむくと起き上がる。 オレは、自分のアナルをこねくり回しながら言った。 「だから、ペニスをしごくより、お尻の穴に指を入れてな。クイッ、クイッとすると、すげぇ、気持ちいいんだよ。はぁ、はぁ、ほらこんなに良いんだ……」 「なっ……お前」 尚も驚きの目。 ああ、その目。いい。凄くいい。 オレ、見られている。 いつもの優しい目じゃない。 何か淫靡なものを見るような血走った目。 そして、少しも目を離すまいとじっと見つめる。 熱い。熱い。 いつもより気持ちいい。 きっと、このリュウジの熱い視線のせいだ。 「ほら、下半身がジンジンしてきてよぉ。あっ、あっ、だめっ。いくっ……」 ああ、まずい。 もういっちゃう。 オレは再びリュウジの勃起チンポを見た。 自分のペニスは勃起しても少し皮を被っている。 でも、リュウジのは全部剥き出しになって綺麗な色と形。 うっとりするし胸のあたりがくすぐられるようにザワザワする。 ああ、やっぱりだ。 オレ、もしかしたら、リュウジのを見たからいつもより興奮しているのかも。 リュウジは、女のセクシーな夏服を思い浮かべて勃起したのだ。 それは分かっている。 でも、不思議と、オレを見て興奮しているように見えるんだ。 錯覚なのはわかっている。 オレを見て興奮するリュウジ。 オレを求めているリュウジ。 ああ、ダメ……オレ、変な気分だ。 いく、いくっ! 体がのけぞり、ペニスの先から精子がピュッと吹き出した。 精を吐き出した後も、ビクン、ビクンと痙攣する。 頭の中が白くぼやけ、快感が全身を巡る。 ああ、いっちゃった。 気持ちいい……。 オレがふと見上げると、リュウジとちょうど目が合った。 目を見開いてオレを見つめている。 オレは、はぁ、はぁ、と息を弾ませてリュウジに問いかけた。 「どうだった? オレのオナニー?」 リュウジは、一瞬答えに窮したようだった。 ふふふ。 気持ち良さそうだっただろ? 実際、最高に気持ちがいいんだ。 きっと、アナルがこんなに気持ちがいいって知らなかったはず。 すげぇな、アオイ。こんなオナニーよく知っていたな。よし、俺もしてみようかな! そんな風に、感心して答えてくれるのを期待した。 しかし、リュウジは何故か顔を真っ赤にして全然別なことを言った。 「どうって……凄く、エッチだったな」 「エッチ?」 その答えにオレは急に体が熱くなってきた。 あれ、どうしてだろ? 猛烈に恥ずかしい。 オナニーなんて男なら普通の事だし、それを親友に見られたってどうって事はないはず。 なのに、この痛いくらいの羞恥心はいったい……。 エッチ……。 オレは、リュウジから見ると性の対象に見えているのか? オレを見てムラムラするのか? 尚もオレを見続けるリュウジ。 オレは思わず言葉を発した。 「リュウジ……そんなにオレの事を見るなよ……オレ、先に出る」 オレは、浴場から飛び出していた。 何故かよくは分からない。 でも、これ以上リュウジに見られていたら変になりそうだった。 そんな今までに感じた事のない感情から、ただ逃げたかったのだ。

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