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27 エピローグ ~アオイ~

ーーーーーーーーーーーーーー 拝啓 お父様 お父さんが言ってくれた『立派な男になれ』って言葉を覚えていますか? オレは、その言いつけに従い、男としての生活をスタートさせました。 当初は、辛い日々の連続でした。 友達はできないし、男の事はさっぱり分からないし。 挫折して、諦めそうになって……。 でも、そんな時、オレの支えになってくれる人ができました。 その人の名前はリュウジ。 ーーーーーーーーーーーーーー そこまで書いて、ペンを一旦置いた。 そして、スマホの画面を眺める。 そこには、最近撮った、リュウジとのツーショット写真が映しだされている。 「また、エロい写真、撮っちゃったよな。クスっ」 オレは、微笑みながら目を閉じた。 そして、その写真を撮ったそのシーンを思い浮かべた。 場所は、旧校舎の男子トイレ。 誰も使わないその個室に、オレとリュウジは二人っきり。 リュウジは、オレのシャツを捲りあげ赤ちゃんのようにオレの乳首をしゃぶる。 「んっ、ん、ん。アオイの勃起乳首美味しいっ」 「リュウジ、痛いよ……それ以上舐めるな」 「いいだろ? ちゅぱっ、ちゅぱっ」 「あっ、ああん……だ、ダメ……」 気持ちよくてつい喘ぎ声が漏れる。 リュウジは、耳元で言う。 「さて、今日はどんなパンティ穿いてきたんだ?」 リュウジはオレの制服のズボンをスッと、下げた。 現れたのは、赤のTバックのショーツ。 お尻は丸出しで、前はすけすけのシースルー。 小さめだから、オレのペニスの形がくっきりと出ている。 リュウジは、歓喜の声を上げた。 「うはっ! すげぇ、エロい! 最高!」 リュウジは、大喜びでオレの尻を揉み始める。 「ちょ、ちょっと、焦るなって……あ、あん」 「これが、焦らずにいられるかよ。アオイ、お前、分かっているな」 「てめぇが穿いて来いって言ったんじゃねぇか!」 「そうだったか? うひひ」 「まったく……」 リュウジは、すぐにオレの前の膨らみに手をやった。 「アオイ……お前、こんなに固くして、お前だってまんざらじゃないんだろ?」 「て、てめぇ、ふざけるなよ……そ、そんなの、当たり前だ」 「ふふふ。さて、アオイ。やろうぜ?」 「……うん」 そこまで思い起こしたところで、目を開けた。 勃起している自分に気づく。 「もう、リュウジはエロなんだからな……」 そうはつぶやいたけど、リュウジの喜ぶ顔を見ただけで、エッチな気分になる自分も同じな訳で……。 ふふふ。 思わず自嘲した。 再び、ペンを取った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー リュウジは、ちょっと変わっているのですが、とてもいい奴。 オレの事を真っすぐ見て、オレを男として認めてくれる。 そう、初めて出来た何でも話せる男友達……親友です。 だから、お父さん、安心して。 どんな辛い事があっても、リュウジと一緒だったら、互いに助け合って頑張れそうです。 そうそう、それに今。 オレは、目標に向かって一歩一歩、前に進んでいる実感が湧いています。 それは……。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー そこまで書くと、ペンが指先から転げ落ちた。 もう、体の火照りがどうしようもないのだ。 オレは、ズボンとパンツを下ろすと、指をアナルに差し込む。 そして、指先でくいっ、くいっ、っと気持ちのいい所に刺激を与える。 目を閉じて、そして、その時の続きを思い浮かべた。 オレとリュウジと口づけを交わす。 ねっとりとした甘いキス。 はぁ、はぁ、と互いの熱っぽい息が交差する。 やがて、オレの片足は持ち上げられ、お尻にはリュウジの熱いものが当たる感覚。 オレは、リュウジを見つめて言う。 「ねぇ、リュウジ。パンツ脱がしてよ……」 「だめ。今日は穿いたままで。いいだろ?」 「えっ……そんなのダメだよ……」 オレはそう言うが、リュウジは聞いていない。 そのままTバックを横にずらすと、強引に固い物をアナルに押し当ててくる。 オレは、キュッとお尻の穴を閉じるが、ペニスの先が強引にめり込む。 「だっ、ダメッ……」 「ほら、アオイ。力を抜いて……」 リュウジはオレの耳たぶをハムっと咥えた。 「あっぁん………リュウジ、ずるい……」 力が抜けた瞬間、リュウジのペニスはズブズブと一気に奥まで入った。 圧迫感が半端ない。 でも、それと同時に体の芯にしびれるような快感が走る。 オレは思わず声を上げた。 「はあぁあ、ううっ、挿って来た、リュウジの勃起チンポ、おっきい……おっきいよ……」 リュウジは、「そうだろ?」と満足気に言うと、オレの額にちゅっとキスをした。 オレは激しく突かれながら振り落とされないように懸命にリュウジの体にしがみつく。 そして、「キス、キスして」とキスをおねだり。 リュウジは、腰を振りながらも、オレのわがままを叶えてくれる。 「ん、んん、ぷはっ……あっ、あっ、すごい、リュウジ……」 「はぁ、はぁ、パンティを穿きながらの着衣セックス……最高!」 パンツを穿きながらエッチだなんて、と思ったけど、こんなにリュウジが喜んでくれるんだ。 オレはリュウジが喜ぶことなら何でもしてあげたい。 やがて、リュウジを欲していたオレの体は、あっと言う間に快楽の頂点へ近づく。 ペニスの先からは、とめどなくおつゆが漏れ出しパンツの中はぐちょぐちょ。 リュウジはオレの耳元で囁く。 「はぁ、はぁ、アオイ、今日はすごい我慢汁が出ているな……エロすぎだろ?」 「う、うっせぇ。お前がエロいからだろ? あっ、あっ……いきそうっ……」 オレは気持ちよさに耐えるのが精いっぱい。 リュウジへ悪たれをついている場合ではない。 「あっ、あん、リュウジ、いくっ、いくっ……」 「はぁ、はぁ、アオイ。いいぜ、一緒にいこう……」 もうだめ……。 脚に力が入らず立っていられない。 その時、リュウジの激しい突き上げ。 「あーっ……あっ……」 全身に痙攣が走る。 「ダメ、いっちゃう……」 「アオイ、出すぞ……俺の精子をアオイの中へ」 「うん、来て、リュウジ、リュウジ!」 さらに激しい突き上げ。 体の芯に突き刺さる。 「あーっ!」 二人の声が合わさる。 目の前に真っ白い世界が広がった……。 オレは、ゆっくりと目を開けると、のけ反った体を机の上に突っ伏す。 体が、ビクッ、ビクッ、っと痙攣する。 心地よい快感が全身を漂う。 絶頂の追体験。 なんて、気持ちいいんだろう。 余韻が最高に気持ちいい。 ふと、ペニスを見ると……あの時と同じ。 いった時の潮吹きでお漏らし状態。 これにはさすがにと肩を落とす。 「はぁ……汚しちゃった……」 オレは、どんどんエッチになっていく。 自己嫌悪もあるけど、リュウジが言うには、 「アオイは、エロい方が可愛い!」 だそうなので、まぁリュウジが望むんだからこれでいいのだ。 と、リュウジのせいにして納得する。 「そうだよな、リュウジ!」 オレはスマホに映るリュウジに、ちゅっとキスをした。 と、写真で思い出した。 「あれ? この写真はいつ撮ったんだっけ?」 この写真、服の前がはだけて、明らかにあのエッチの時の写真なのだけど、二人とも満面の笑顔。 さて、いつ撮ったんだったか。 再び、目をつぶって続きを思い起こした。 リュウジは言った。 「ふぅ……今日も沢山でたな」 オレの中では、まだ繋がったままのリュウジのペニスから精子がドクドクと発射しつづけている。 オレは、リュウジの頬にキスしながら言った。 「なぁ、リュウジ。毎日、学校でセックスは、ちょっとやりすぎじゃないか?」 「バカ、いいんだよ。オトコの娘でも孕むのかチャレンジ。忘れたのか?」 そういえば、そんな事を言っていた。 冗談だと思っていたのだが、リュウジはえらく真剣な表情。 オレはリュウジに聞き返す。 「へ? お前、そんなの本気で考えているのか?」 「当たり前よ。まだどのユーチューバーもやってない企画なんだから」 オレは呆れて言った。 「はぁ……まったく、リュウジは。そもそも、ユーチューバーがそんな企画やるわけないだろ! 男が妊娠するわけないんだから!」 オレの指摘に、リュウジは待ってましたと言わんばかりに答える。 「いや、分からないぞ! この世界線ならオトコの娘は妊娠するかも」 「世界線? 何だよそれ」 「知らないのか? オメガとかそういうのがある世界ではな、男でも妊娠するんだぜ」 「へぇー」 リュウジは偉そうに胸を突き出した。 自信満々のその姿は、ツッコミ待ちのサイン。 まったく、しょうがねぇなぁ……。 オレは、リュウジを見上げながら言った。 「という設定か?」 リュウジは片目を開けてウインクする。 「そういう事!」 「ぶっ! お前、いい加減、中二病卒業しろよな!」 「ははは」 「あはは」 オレ達は大笑い。 そこで、リュウジが言った。 「よし、アオイ、記念撮影しようぜ! アオイの妊娠記念日に!」 「ぷははは。まだ、そんな事を言っているのかよ? まぁ、いいぜ……写真撮ろう!」 オレは目を開けた。 そうだった。リュウジの変な設定の話をした後だった。 確かにあの時は、そんな事があるか! と笑い飛ばしたが、今思うと、あながち冗談ではないのかもしれない。 だって、リュウジといると楽しくて仕方ない。 リュウジといると、この世界が輝いて見える。 昔見ていた景色と、リュウジと出会ってから見える景色は明らかに違う。 全く違う世界になっていたとしてもオレは信じる。 ちょっと待てよ。ま、まさかオレ、妊娠してたりしないよな? さりげなく下腹部をなでた。 まさかね……ふふふ。 ということで、いろいろとスッキリしたオレは、手紙の続きを仕上げてしまおうと、再びペンを取った。 ーーーーーーーーーーーーーーーー というわけで、お父さん。 リュウジは、いつまで経っても中二病を卒業出来ないアホだから、あまり頼りに出来ないかもだけど、まずは、リュウジが大好きっていうオトコの娘っていうのにはなれたみたいです。 これも、立派な男になる一歩かな、と思っています。 お姉ちゃん達を支えるっていうのは、まだまだだけど、きっとお父さんが期待する男になって見せます。 だから、見守っていてください。 美映留高校1年 アオイ ーーーーーーーーーーーーーーーー まぁ、こんな感じかな? オレは、便箋を封筒に収めると、机に引き出しに大事にしまった。 さて、今日は、午後からリュウジとデートの約束の日。 オレは支度を済ませ家を飛び出した。 上はオフショルダーブラウス、下はフレアミニスカート。 それに花飾りのワンポイントが入ったサンダル。 前にリュウジに絶賛されたコーデ。 待ち合わせ場所には、既にリュウジの姿があった。 オレは、手を振りながらリュウジに駆け寄る。 ふと、お父さんへの手紙の内容を思い出して、空を見上げた。 父さん、見てて。オレの事。 「よう! アオイ!」 オレは、挨拶を返す代わりに、リュウジの手をギュッと握った。 「な! リュウジ!」 リュウジは急に振られて驚いてオレを見る。 「ん? なんだかよくわからんが……だな! アオイ!」 「おう! あははは」 オレは満面の笑みで答える。 リュウジはオレに釣られて破顔した。 リュウジは、オレの笑顔を見るのが大好きなようだ。 オレが微笑むと決まっていい笑顔を返す。 オレは、スッと、リュウジの腕を取る。 「アオイ、何だか、今日はやけにご機嫌じゃないか?」 「そう見えるか?」 「見えるぜ。あはは。それにお前、今日も最高に可愛いぞ!」 リュウジの白い歯がこぼれる。 「えっ……」 トクン……トクン……。 胸の鼓動が早くなる。 オレは、胸をギュッと押さえて心の中でつぶやく。 リュウジ、お前、オレの事、褒めすぎだって。 それよりもさ、お前の方こそ最高にカッコ良すぎだぜ、リュウジ。 「ふふふ……」 自然と笑みが漏れる。 なるほど。 オレは微笑んでいる。それも目一杯。 なんだ、オレも、リュウジの笑顔を見るのが大好きみたいだ。 だって、こんなに幸せな気持ちが湧き上がってくるのだから。 リュウジが言った。 「変な奴!」 「前もな!」 オレは直ぐに言い返す。 オレとリュウジはニヤニヤしたまま、互いの手をギュッと握った。 ふと、誰かの視線が気になって空を見上げた。 そこにはぽっかりと浮かんだ白い雲。 その雲は、ニッコリと笑っているように見えた。 頑張れ、アオイ! オレは心の中で答えた。 はい! お父さん! *高校男子デビュー! 終わり

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