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第62話
「まっ、さ……さ」
名前を呼ぶ度に好きだと思う。
「遥登」
名前を呼ばれる度に好きだと思う。
「ま………ま、さ……さ…っ」
「遥登」
名前を呼ばれる度に愛されてると思う。
こんなにも好きな人に愛されてしあわせだ。
「まさ、ぁ…きす…き、す……」
「舌出せ」
何を言っているか理解するより早く身体がそれに従う。
従順で盲従。
「ぁ……あ、…」
舌を舐められ頭が溶けていく。
口内を舐めるなんて、舐められるなんて汚いと思っていた。
だけど、長岡とだとこんなに気持ちが良い。
しあわせだと思える。
愛っていう感情はとても不思議だ。
汚ないと思う事すらしあわせだと思える事に変えてくれる。
だけど、息継ぎの仕方が分からず、すぐに苦しくなってしまう。
「ぷ、は…っ、あ……あ…っ」
キスをしていてもしていなくても息が満足に出来ない。
しがみつく首元からフェロモンでも出ているのかクラクラする。
ゆっくりとしたピストンでも感じてしまい頭は長岡でいっぱいだ。
呼吸が早く浅くなっている。
此処がどこだとか、今が何時だとか、どこかに防犯ビデオが隠されていて撮影されているかもとか、そんな事すら頭から吹き飛んでいく。
不安だって消え去った。
理性なんて所詮本能には勝てないんだ。
だからこそ、険しい野生を生き抜く動物達は本能に忠実に生きている。
脚を掬われ、より一層深く陰茎を埋め込まれた三条は内腿を痙攣させ甘くイった。
「あ……ぐ…ぅ…」
喉の奥がきゅぅっと締まり苦しそうな声が出る。
苦しくないのにおかしい。
身体が異常に敏感だ。
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