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第71話
並んで歯磨きをするなんてもう何度もしてきた事だが、昨夜の事を思い出しそわそわしてしまう。
あ、バスローブ…
そういえば、以前のホテルでもそうだったが長岡はバスローブを着ない。
すごく似合いそうなのにだ。
「あ、の」
「ん?
どうした。
腹痛てぇか」
「いえ、それは大丈夫です。
正宗さんってバスローブ着ませんよね」
「あぁ。
いや、だって、心許な過ぎるだろ。
つぅか、着てぇのか?」
長岡は奥歯を磨きながら鏡に映るバスローブを見た。
たったそれだけなのに、視線の動かし方がえっちぃな…なんて昨夜の熱が残っているのだろうか。
「いえ、そういう訳ではありませんけど…。
ただ、正宗さんすごく似合いそうだなぁって思いまして」
「性に合わねぇんだよな。
だらけるなら適当にTシャツとかスウェットの方が楽っつぅか」
確かに部屋でははラフな格好が多い。
Tシャツやスウェット、パーカーをさらりと着て過ごしている。
シンプルな分顔立ちの綺麗さが強調されていて好きだ。
シャコシャコと奥歯を磨いていた手を止めた。
「着て欲しい?」
「え、あ……ちょっとだけ」
「じゃあ、次のお楽しみ」
いやらしく目を細められ朝から下半身が元気になりそうだ。
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